青い桜が咲く頃に

「拾ってって……
 猫じゃないんだから。」


困ったように
額に手を当てた男に

アタシは間髪を入れず
歩み寄った。


「アタシは
 野良猫みたいなもんだから。」


男はアタシに目を向け
無言のままため息を吐く。


「もう、いいよ。
 貴方がダメなら
 他に行くだけだし。」

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