河童のあなたと私
「見てのとおり俺は河童だ」


言われなくてもわかる。


「河童さんはなんでこんなとこにいるの?」


「河童さんだと!?俺には『ドウ』っていう素晴らしい名前がある!」


「…じゃあドウさん、なんでこんなとこに?」


「お前、伝説上の生き物様が話してやってるんだぞ…。キュウリの1つや2つ持ってくるのが当然じゃないのか?」


ああ…こいつが人間だったら絶対に殴っている……。


このときほどそう感じたことはない。
< 10 / 21 >

この作品をシェア

pagetop