氷の女神
「え? 社長には奥さんがいるじゃないですか」

「ああ。だから彼女は社長の愛人、って事になるな」

「それは確かなんですか?」

「まあ、俺も信じたくはないがなあ。
彼女はマンションに一人住いらしいが、社長名義なんだ。秘書課の女からの情報だから間違いないだろう。

そのマンションを社長が出入りするのを、何人もの社員が見ている。
ここにも時々会いに来るぞ。堂々としたもんさ。

疑う余地があるとすれば、その社長の堂々とした振る舞いぐらいだろうな。

でも、社長が来た時の彼女を見れば、やっぱり二人は出来てるんだなと思う。

彼女にとって、社長は唯一、心を許す男性って感じだからな」
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