氷の女神
部屋の中を物色し、スウェットの上下を見つけた。

「綾乃さん、着替えてください。綾乃さん…」

綾乃さんの耳元で何度も声を掛けたが、綾乃さんは全く起きる気配がなかった。

そうしている間に、綾乃さんのオデコや首筋に、うっすら汗が出始めていた。

「綾乃さん、失礼します」

俺は綾乃さんの上半身を抱き起こし、上着を脱がせた。
綾乃さんに起きる気配はない。

「なるべく見ないようにしますので…」

綾乃さんのブラウスを脱がせた。真っ白な肌が目に眩しい。

綾乃さんはシルクのインナーを着ていた。どうやって脱がせばいいんだろう…

気付けば綾乃さんは、小刻みに震えている。

「寒いですよね? 急ぎますからね」
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