氷の女神
解けだした氷
ピンポーン


誰かが来たようだが、俺が出るわけにもいかないので無視していると、ガチャっとドアが開く音がした。

泥棒か!?

焦って玄関へ行くと、男が立っていた。

「誰だ、おまえは?」

「しゃ、社長!」

「綾乃はいるか?」

「はい。熱を出して寝ています」

「なんだと!?」

社長はずかずかと寝室に入り、綾乃さんの首筋に手を当て、『綾乃、綾乃』と声を掛けたが、綾乃さんは目を覚まさなかった。

「確かに、熱が高いな」

「はあ」

「君は誰だ?」
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