氷の女神
「…くん。里中君」

耳元で俺を呼ぶ声がして、目を開けたら、目の前に綾乃さんの顔があった。

「うわ! 起きたんですね? と言うか、俺、寝てたんですね? 何やってんだろう…」

「看病してくれたのね?」

「寝ちゃいましたけどね。あ、熱は…?」

「ひゃっ」

綾乃さんのオデコに手を当てたら、綾乃さんに驚かれた。ちょっと馴れ馴れしかったかな?

「すみません。だいぶ下がったみたいですね? よかったなあ。計ってみてください」

俺は体温計を差し出した。

「その前に、着替えたいんだけど…」

「あ、そうですよね? えっと、着替えはどこに…」

「自分で探すから大丈夫よ」

「じゃあ僕は出てますので、終わったら呼んでくださいね? シーツを取り替えたりしますから」

「ねえ、里中君」

ドキ!
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