氷の女神
「ご飯作ったんだけど、食べてくれる?
有り合わせだから、大したものは作れなかったんだけど…」

「もちろん、いただきます。具合はいいんですか?」

「おかげさまで、だいぶ良くなったの。ちょうど明日から休みだし、月曜には元気で出社できるわ」

そうか、今日は金曜だったんだ…
泊まりたいと言ったら、綾乃さんは、何て言うだろうか…

しかし、今朝初めてキスしたばかりなのに、早過ぎないだろうか…

我慢すればいいけど、我慢できるだろうか…

あ、着替えがない。昨日から着替えてなかったんだ。うわあ、俺、汗くさいんじゃないか?

いったん帰るって、アリか?
ないなあ…

「ねえ、難しい顔してないで、ご飯食べよう?」

「あ、は〜い」

やっぱ、帰るか…
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