氷の女神
「どう?」

「すごく美味しいです!」

「ほんとに? お魚の買い置きがないから、お野菜ばかりになっちゃったの。ごめんなさい」

「肉が食えない僕が悪いんだし、野菜は大好きです。特にこの芋の煮っころがしは大好きです」

「そう? ありがとう。今度はもっと美味しいご飯作るからね!」

「おお、期待してま〜す」



食後のコーヒーを炒れてもらい、名残惜しいけどそろそろ帰ろうかなと思った頃、来客を告げるベルが鳴った。

「誰かなあ。ちょっとごめんなさい」

綾乃さんと誰か女性の会話が聞こえ、こちらに近付いて来たので、俺は咄嗟に身を隠した。

「里中君、隠れても無駄よ、出てらっしゃい」
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