氷の女神
綾乃さんは、病院の個室でひとり、虚ろな目で窓を見ていた。
「綾乃さん」
俺が声を掛けると、綾乃さんは肩をピクっとさせたが、顔は窓を向いたままだ。
「綾乃さん、僕を見てください」
「………」
「分かりました。では話を聞いてください」
俺はあの日の明美との事。そして過去の事を全て話した。
「綾乃さん、社長から綾乃さんの過去を聞きました。
綾乃さんの苦しみを、完全に理解する事はたぶん、僕には出来ないと思います。もちろん、綾乃さんの過去を変える事も出来ません。
でも、綾乃さんの今と、未来を変える事は出来ると思っています。
平凡で、取り柄のない僕ですが、綾乃さんを想う気持ちは誰にも負けません。
僕は、綾乃さんを幸せにしたい。
僕は、綾乃さんと幸せになりたいんです。
僕と、結婚してくれませんか?」
「………」
綾乃さんは依然として、窓を見たままだった。
「綾乃さん」
俺が声を掛けると、綾乃さんは肩をピクっとさせたが、顔は窓を向いたままだ。
「綾乃さん、僕を見てください」
「………」
「分かりました。では話を聞いてください」
俺はあの日の明美との事。そして過去の事を全て話した。
「綾乃さん、社長から綾乃さんの過去を聞きました。
綾乃さんの苦しみを、完全に理解する事はたぶん、僕には出来ないと思います。もちろん、綾乃さんの過去を変える事も出来ません。
でも、綾乃さんの今と、未来を変える事は出来ると思っています。
平凡で、取り柄のない僕ですが、綾乃さんを想う気持ちは誰にも負けません。
僕は、綾乃さんを幸せにしたい。
僕は、綾乃さんと幸せになりたいんです。
僕と、結婚してくれませんか?」
「………」
綾乃さんは依然として、窓を見たままだった。