風の歌
「静かにしろっ!!話が進まないだろうがっ!!」
私が答えた瞬間、担任が吠えた。
いつもなら全く耳を貸さない生徒達もこの時ばかりは転校生が気になったのか、大人しく黙った。
担任は満足そうに見渡すと、教室の出入口の扉に向きながら、
入って来ていいぞ。
と扉の向こうにいるであろう、転校生に言った。
ガラッと扉を開け入ってきたのは、小柄な女の子だった。
可愛いっ!!!
ほのかとは、また違う感じで可愛い!!
腰まである、ストレートの黒髪を靡かせながら担任の隣に立った。
その間、たぶん5秒位の長さだったと思うけど、私には30秒にも40秒にも、長く感じた。
ほのかやけいも例外ではなく、クラス全員がその小柄な女の子に見とれていた。