ボーダー
翌朝、コンコンとノックの音がした。
明日香は、まだ気持ちよさそうに寝ている。
適当にトレーナーを着て、パジャマの長ズボンの下を履いて、外に出た。
外に出ると、兄がいた。
「今、エージェントルームのハナから連絡があってな。
今年はエージェントルーム内で、クリスマスパーティーを計画していて、明日の夜にやるそうだ。
いろいろやることもあるだろう。
届けを出した後、挙式のことも、ついでにその場を借りて報告したいんだろ?
このあと、早く昼の便で日本に帰るぞ。
明日香にも、伝えておいてくれ。」
ハナのやつ、そんなこと計画してたのか?
全く、報告とか相談とかしろよな……
まぁ、まだ「社会人」じゃないんだ、大目に見るか。
明日香に報告すると、まだ眠そうな顔で分かった、と言ってくれた。
兄たちは、先の便で先に帰ったようだ。
オレと明日香も、祖父母に別れを告げて、空港に向かった。
オレには、やることがあるのだから。
ゆっくりお風呂にすら浸かることが出来ていないだろう明日香を、空港近くにある温泉施設に誘導する。
その間に、俺は車を走らせて、銀座に向かう。
ブルーの紙袋で有名なお店で、兄に取り置いて貰っていた、婚約指輪を受け取る。
「伊達 徹様ですね?
こちらになります。喜んでくださると良いですね。」
「ありがとうございます。」
お店を出ると、紙袋と中のカタログをカバンにしまい、中の箱だけをスーツのポケットに入れる。
温泉施設からちょうど出てきた明日香を乗せて今度こそ家に帰る。
クリアファイルに入った婚姻届も大事にカバンに入れて、エージェントルームのクリパに行くと思っている明日香の誤解を解いてやる。
どうか彼女の着るニットワンピースに下半身が疼かないように願いながら、車を走らせる。
行き先は、兄の母に渡されたハガキに書いてある高級ホテルだ。
亜子さんが更生してから、ずっと話そうと思っていたと言って、教えてくれたこと。
柏木家は不動産専門のため、心もとないものの、投資で財をなした柏木グループの末代だという。
その影響で、マレーシアやフランス、イタリアや日本に高級ホテルや別荘もいくつか所有しているようだ。
その高級ホテルのうち、テイストの異なる披露宴会場を2つ有しているホテルを下見に来てくれというのだ。
ついでに、その場で婚姻届の承認欄に、康介さんと亜子さんに、それぞれ署名をお願いしたいと思っている。
事前に、印鑑を持参することとすぐに本籍地が書けるようにしておいてくれと言ってある。
会場であるホテルに着くと、明日香がキョロキョロしていた。
亜子さんと康介さんが婚姻届と向き合っている間、オレと明日香は兄とその彼女に、披露宴会場を案内してもらっていた。
良さげな雰囲気のプライベートガーデン。
指輪、渡せそうな場所は、ここしかないな。
明日香に目を瞑るように促して、プロポーズの時に使った指輪を外し、先程貰ったものをつける。
そして、事態が飲み込めていない明日香に、種明かしをした。
「明日香、お前が最初にマレーシア行ったときに欲しがってたやつ。
それだろ?
オレが兄貴のエージェントルームの端末に情報を送ってやった。
後は、兄貴が志穂ちゃんへの指輪選びの下見に付き合え、と言って明日香を誘って、その指輪を試させればいい。
いろいろ試させたら、後は、俺が帰ってくる2週間前に取り置きを頼んで、俺が時間を作って急いで取りに行けばいい。
兄貴と志穂ちゃんに、協力を頼んでおいて正解だったな。」
どちらからともなくキスを交わす。
あまりやりすぎると、下半身が制御不能になるな。今はこれくらいにしておくか。
明日香は、まだ気持ちよさそうに寝ている。
適当にトレーナーを着て、パジャマの長ズボンの下を履いて、外に出た。
外に出ると、兄がいた。
「今、エージェントルームのハナから連絡があってな。
今年はエージェントルーム内で、クリスマスパーティーを計画していて、明日の夜にやるそうだ。
いろいろやることもあるだろう。
届けを出した後、挙式のことも、ついでにその場を借りて報告したいんだろ?
このあと、早く昼の便で日本に帰るぞ。
明日香にも、伝えておいてくれ。」
ハナのやつ、そんなこと計画してたのか?
全く、報告とか相談とかしろよな……
まぁ、まだ「社会人」じゃないんだ、大目に見るか。
明日香に報告すると、まだ眠そうな顔で分かった、と言ってくれた。
兄たちは、先の便で先に帰ったようだ。
オレと明日香も、祖父母に別れを告げて、空港に向かった。
オレには、やることがあるのだから。
ゆっくりお風呂にすら浸かることが出来ていないだろう明日香を、空港近くにある温泉施設に誘導する。
その間に、俺は車を走らせて、銀座に向かう。
ブルーの紙袋で有名なお店で、兄に取り置いて貰っていた、婚約指輪を受け取る。
「伊達 徹様ですね?
こちらになります。喜んでくださると良いですね。」
「ありがとうございます。」
お店を出ると、紙袋と中のカタログをカバンにしまい、中の箱だけをスーツのポケットに入れる。
温泉施設からちょうど出てきた明日香を乗せて今度こそ家に帰る。
クリアファイルに入った婚姻届も大事にカバンに入れて、エージェントルームのクリパに行くと思っている明日香の誤解を解いてやる。
どうか彼女の着るニットワンピースに下半身が疼かないように願いながら、車を走らせる。
行き先は、兄の母に渡されたハガキに書いてある高級ホテルだ。
亜子さんが更生してから、ずっと話そうと思っていたと言って、教えてくれたこと。
柏木家は不動産専門のため、心もとないものの、投資で財をなした柏木グループの末代だという。
その影響で、マレーシアやフランス、イタリアや日本に高級ホテルや別荘もいくつか所有しているようだ。
その高級ホテルのうち、テイストの異なる披露宴会場を2つ有しているホテルを下見に来てくれというのだ。
ついでに、その場で婚姻届の承認欄に、康介さんと亜子さんに、それぞれ署名をお願いしたいと思っている。
事前に、印鑑を持参することとすぐに本籍地が書けるようにしておいてくれと言ってある。
会場であるホテルに着くと、明日香がキョロキョロしていた。
亜子さんと康介さんが婚姻届と向き合っている間、オレと明日香は兄とその彼女に、披露宴会場を案内してもらっていた。
良さげな雰囲気のプライベートガーデン。
指輪、渡せそうな場所は、ここしかないな。
明日香に目を瞑るように促して、プロポーズの時に使った指輪を外し、先程貰ったものをつける。
そして、事態が飲み込めていない明日香に、種明かしをした。
「明日香、お前が最初にマレーシア行ったときに欲しがってたやつ。
それだろ?
オレが兄貴のエージェントルームの端末に情報を送ってやった。
後は、兄貴が志穂ちゃんへの指輪選びの下見に付き合え、と言って明日香を誘って、その指輪を試させればいい。
いろいろ試させたら、後は、俺が帰ってくる2週間前に取り置きを頼んで、俺が時間を作って急いで取りに行けばいい。
兄貴と志穂ちゃんに、協力を頼んでおいて正解だったな。」
どちらからともなくキスを交わす。
あまりやりすぎると、下半身が制御不能になるな。今はこれくらいにしておくか。