ボーダー
……家に帰ると、大量の年賀状と一緒に、
「結婚式のお知らせ」が届いていた。
……伊達さんと明日香さんからだ!
式の日時は、1月30日。
高級ホテルで行われる。
学生だから、制服で参加すること!
学生で収入はないでしょうから、ご祝儀は不要と書かれていた。
-結婚式当日。
受付を済ませて、伊達さんを探す。
今メイクアップを終えた明日香さんと写真撮影をするところだって、忙しそうに走り回っていた。
幸せオーラ全開で、見ているこっちも幸せな気分だ。
数十分後、式が始まる。
有海が弾くピアノの音と共に、明日香さんが登場。
元々清楚な印象の明日香さん。
クリーム色がかった白のウェディングドレスがとてもよく似合っていた。
「ここで、新婦様のご希望により、蒲田 華恵様にリングガールを努めていただきます。
……蒲田様、前へどうぞ。」
「わ……私?」
リングガールって……何すればいいの?
急に名前を呼ばれて戸惑っていた私に、志穂さんがそっと耳打ちしてくれた。
「新郎のところに歩いて行って、マリッジリングつまり結婚指輪が入った箱を渡すだけよ。」
「あ……ありがとうございます。」
私は、伊達さんに小声でおめでとうを言いながら箱を渡した。
「ありがとう。」
私に優しい笑顔を向けてくれた伊達さん。
いつもの笑顔だが、少しはにかんでいたのは緊張からか。
タキシード、よくお似合いですよ?
「……ありがとうございます!
リングガールを努めました、蒲田様に大きな拍手をお送り下さい!」
拍手の中、急いで席に戻った。
務めを終えたあと、一息つくために、そばに置かれていたウーロン茶を飲んだ。
「緊張したー。」
「そんなふうに見えなかったよ?
歩き方も堂々としてたし、良かったんじゃないか?」
レンがボソッと言う。
モデルをしているナナに、歩き方とか、こういう場での振る舞い方を習っておいて良かった。
「……お疲れ。
後で、たっぷりご褒美あげる。
覚悟しろよ?ハナ。」
ミツ、笑みが怖い。
さては寝かせないつもりだな?
室長により祝福の言葉が掛けられた。
「私が仕事や出張で忙しいときに、代わりになって手早く、色んな仕事を終わらせておいてくれていたのが、このお2人でした。
この2人なら、最高に笑顔の溢れる?幸せな家庭を持てると信じています。
これからも最高の社員としてよろしくお願いします!
そして、結婚おめでとうございます。
……末永くお幸せに。」
室長が言い終わると、2人とも泣いていた。
……本当に、おめでとうございます。
……伊達さん。
……明日香さん。
式が終わると、そのままホテルに泊って良いことになっている。
もう制服は脱いで、私たち女子はルームウェアだ。
ご祝儀は要らないならせめてプレゼントをあげたい、ということで、エージェントルームの学生メンバーと集まって密かに、プレゼントを買っていたのだ。
サプライズで部屋に置いておいた。
お風呂から上がって、女子同士で部屋に集まっていると、幸せいっぱいの明日香さんが部屋に来た。
「とっても嬉しいわ!
こんな素敵なもの、用意してくれていたなんて知らなかったから驚いちゃった。
ありがとう!」
明日香さんの夫である伊達さんも気がついているが、実は明日香さんは妊娠しているのだ。
由紀やナナが体調の悪そうなその様子にピンと来ていた。
皆からお金を徴収して、マタニティーウェアにもなる前開きタイプのワンピースをプレゼントしたというわけだ。
部屋に戻ると、ミツがちょうどシャワーを浴びてきた後なのか、上には何も着ないままの姿でいた。
「もう!
何て格好してるのよ……!」
「いいじゃん。
たっぷりご褒美あげる、って言ったろ?」
おもむろにいきなり深いキスをされて、そのまま、夜が更ける時間まで愛し合った。
「結婚式のお知らせ」が届いていた。
……伊達さんと明日香さんからだ!
式の日時は、1月30日。
高級ホテルで行われる。
学生だから、制服で参加すること!
学生で収入はないでしょうから、ご祝儀は不要と書かれていた。
-結婚式当日。
受付を済ませて、伊達さんを探す。
今メイクアップを終えた明日香さんと写真撮影をするところだって、忙しそうに走り回っていた。
幸せオーラ全開で、見ているこっちも幸せな気分だ。
数十分後、式が始まる。
有海が弾くピアノの音と共に、明日香さんが登場。
元々清楚な印象の明日香さん。
クリーム色がかった白のウェディングドレスがとてもよく似合っていた。
「ここで、新婦様のご希望により、蒲田 華恵様にリングガールを努めていただきます。
……蒲田様、前へどうぞ。」
「わ……私?」
リングガールって……何すればいいの?
急に名前を呼ばれて戸惑っていた私に、志穂さんがそっと耳打ちしてくれた。
「新郎のところに歩いて行って、マリッジリングつまり結婚指輪が入った箱を渡すだけよ。」
「あ……ありがとうございます。」
私は、伊達さんに小声でおめでとうを言いながら箱を渡した。
「ありがとう。」
私に優しい笑顔を向けてくれた伊達さん。
いつもの笑顔だが、少しはにかんでいたのは緊張からか。
タキシード、よくお似合いですよ?
「……ありがとうございます!
リングガールを努めました、蒲田様に大きな拍手をお送り下さい!」
拍手の中、急いで席に戻った。
務めを終えたあと、一息つくために、そばに置かれていたウーロン茶を飲んだ。
「緊張したー。」
「そんなふうに見えなかったよ?
歩き方も堂々としてたし、良かったんじゃないか?」
レンがボソッと言う。
モデルをしているナナに、歩き方とか、こういう場での振る舞い方を習っておいて良かった。
「……お疲れ。
後で、たっぷりご褒美あげる。
覚悟しろよ?ハナ。」
ミツ、笑みが怖い。
さては寝かせないつもりだな?
室長により祝福の言葉が掛けられた。
「私が仕事や出張で忙しいときに、代わりになって手早く、色んな仕事を終わらせておいてくれていたのが、このお2人でした。
この2人なら、最高に笑顔の溢れる?幸せな家庭を持てると信じています。
これからも最高の社員としてよろしくお願いします!
そして、結婚おめでとうございます。
……末永くお幸せに。」
室長が言い終わると、2人とも泣いていた。
……本当に、おめでとうございます。
……伊達さん。
……明日香さん。
式が終わると、そのままホテルに泊って良いことになっている。
もう制服は脱いで、私たち女子はルームウェアだ。
ご祝儀は要らないならせめてプレゼントをあげたい、ということで、エージェントルームの学生メンバーと集まって密かに、プレゼントを買っていたのだ。
サプライズで部屋に置いておいた。
お風呂から上がって、女子同士で部屋に集まっていると、幸せいっぱいの明日香さんが部屋に来た。
「とっても嬉しいわ!
こんな素敵なもの、用意してくれていたなんて知らなかったから驚いちゃった。
ありがとう!」
明日香さんの夫である伊達さんも気がついているが、実は明日香さんは妊娠しているのだ。
由紀やナナが体調の悪そうなその様子にピンと来ていた。
皆からお金を徴収して、マタニティーウェアにもなる前開きタイプのワンピースをプレゼントしたというわけだ。
部屋に戻ると、ミツがちょうどシャワーを浴びてきた後なのか、上には何も着ないままの姿でいた。
「もう!
何て格好してるのよ……!」
「いいじゃん。
たっぷりご褒美あげる、って言ったろ?」
おもむろにいきなり深いキスをされて、そのまま、夜が更ける時間まで愛し合った。