ボーダー
メイ……すごく可愛い。
ジャンパースカートとか着るイメージなかったけど、大人っぽい格好がすごく似合う。
元々、顔立ちが大人っぽいから余計なのだ。

メイに見とれすぎて、危うく持っていたお箸を落としそうになった。

仕事がデキる女性、正直オレはタイプど真ん中だ。
そんな格好を、よりにもよって好きな子にされちゃあ、ちょっと理性保たない。

まぁ……こういうスカートは女のコしか着られないからね?

それにしても、痛々しいくらいにあったアザも大分消えてきているみたいで良かった。

2人でテーブルを挟んで、朝食を食べる。
昨日はフレンチだとかイタリアンだとか作っていたから、今日は和食にしてみた。

和食を食べるのが相当久しぶりらしかったメイは、美味しいって言って喜んで食べてくれた。
ただ、食べている最中、自分の服とオレとをチラ見不安そうな顔をするメイ。

分かるよ?

その服装が、似合ってるのか不安なんだろ?
似合ってるよ……すごく。

「あ……あのさ。
似合ってる……よ?
日本のOLみたい。その格好……

メイは顔立ちも大人っぽいから、もっとそういう服着るといいと思う。
仕事デキて、プライベートも両立させている人に見える。」

そういうスキンシップが許される、恋人関係だったなら。
朝ご飯そっちのけで今すぐメイをベッドに連れて行って抱きたいくらいだ。

それはまだ言わないでおく。

オレがメイに話しかけると、彼女は案外素直に素直に嬉しいってことと、似合ってるか不安だったことを口にした。

あれ?
メイ……何か素直だな……
服装が違うのと、素直なのとで、余計に可愛さが増している。

ありがとうって言って笑顔を見せるメイを見てオレも嬉しくなった。
やっぱり、メイは笑ってたほうが可愛い。

メイの笑顔のためなら、何だって頑張れる。

朝飯を食べ終えて、いきなり動くと胃に悪いので、少しまったりしていた。

すると、そろそろちょうどいい頃合いになったのでメイの部屋の外から呼びかけた。

「メイ?用意出来てる?
もう本部行くよ?」

今行くと言う声とともにドアが開いて、現れたメイは、香水を付けていた。

「じゃ、行くか。」

オレはそう言って、メイを連れて家を出る。
2人でしばらくFBI本部まで歩いた。

こうして歩いていると恋人みたいだ。道行く人に、恋人みたいに見られているかな?
どちらかが不釣り合いだったら、ちょっと悲しい。
手を繋いだり腕を組んだりすれば、恋人らしく見えるのだろう。
しかし、恋人でもないのに手を繋ぐのは避けたい。
少しでも、メイに嫌われる要素を減らしたい。日和ったかな、オレ。
でもそれだけ、メイに本気なんだ。

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