ボーダー
蓮太郎が、まだ日本にいるときの話ではあるようだ。
しかし、割と最近の出来事らしい。
日本にいる彼の知り合いの男性2人。
周囲の人間もただの同僚にしては仲が良いとは思っていたようだ。
男性2人は何と異母兄弟だったのだという。
さらに、別の同僚の女性とその男性の1人は既に夫婦となり、女性の1人はお腹には新しい生命が宿ったようだ。
そして、男性のもう一人は同僚の女性と異父兄妹らしいのである。
うん、何とも複雑な関係だ。
「実際、長男の方の祖父母が裕福な家庭で、不動産で莫大な資産を築いだ資産家らしい。
その経営権が、少しずつ長男に譲渡されていてね。
なんの変哲もない中年男性が実はお金持ちの家の生まれでした、なんて話を聞いたわけだ。リアルに。
オレの幼なじみたちは羨ましいとかキャッキャ騒いでいたけど、オレはまぁ、あり得る話じゃないかって冷めた目で見てた。
何となく、オレ自身もそうなるんじゃないか、って予感があったからだと、今になって思うんだよな。
実際、記憶はおぼろげだけどガレージにしてはでかいシャッターがある一角が庭にあった。
開いた時を一瞬だけ見たんだけど、大きい車とヘリがあった。
普通の家にはないだろ?」
確かにそうだ。
普通の家にはないだろう。
車1台が関の山だ。
「そうね。よほどの、財閥のお坊ちゃんとかなら別だけど。」
「それ、可能性あるんだよ。
その知り合いにも、村西さんや遠藤さんにも調べてもらった。
宝月 曹太郎《ほうづき そうたろう》。
俺の父は不動産以外のIT、食品、マスコミ、自動車、保険、教育といったあらゆる分野で財をなした宝月財閥の当主らしい。
上手く、何かしらの遺言が残っていれば、オレが後継者だ。
仮にそうなっても、さ。
ちゃんとオレのこと、好きでいてくれる?」
ぎゅ、と蓮太郎を抱き締める。
「何言ってるの。
そんなの関係ない。
蓮太郎がお金持ちでも、貧乏でも、いいの。
蓮太郎は蓮太郎だもん。
お金とか、外見だけに惹かれたんじゃない!
外見も中身も素敵だから、好きになったんだもん!」
身体を離されると、私の口内で蓮太郎の舌が暴れた。
銀色の糸が伸びた後、名残惜しそうに離れる。
「メイ。可愛いことするな。
1回終わったばっかりで疲れてるだろ?
それとも、もう1回、お望みなの?」
「お望みだよ、って言ったらどうする?」
蓮太郎は私を浴槽から上がらせると、タオルで身体を拭かせてから、再び私を軽々と抱き上げる。
行き先は、もちろん私の部屋。
何度も唇が重なって、全身を愛でるように唇でくまなく触れられる。
「ん……っ!」
何度も甘い声を上げたあと、再び大きさを増した彼自身が入ってきた。
薄い膜、余裕がなさそうなのに、ちゃんとしてくれているところが、蓮太郎の優しさだ。
「やべ、ちょっと早い、かも……
好きだよ、メイ。
大好き。」
「いいの。
好きよ、蓮太郎。
大好きな人と繋がれるの、幸せ……」
数回、突き上げに合わせてベッドのスプリングが音を立てる。
「ありがと。
うん、デーティング期間はもう終わり。
ちゃんとガールフレンドだよ。
メイ。」
ガールフレンド。
そう言われたのが嬉しすぎる。
「私も、大好きよ、蓮太郎。
もう、周りの人にちゃんとボーイフレンド、って言えるの嬉しい!」
蓮太郎に抱き着くと、彼の熱を感じた。
ひときわ身体が跳ねたあと、どちらからともなく意識を手放した。
しかし、割と最近の出来事らしい。
日本にいる彼の知り合いの男性2人。
周囲の人間もただの同僚にしては仲が良いとは思っていたようだ。
男性2人は何と異母兄弟だったのだという。
さらに、別の同僚の女性とその男性の1人は既に夫婦となり、女性の1人はお腹には新しい生命が宿ったようだ。
そして、男性のもう一人は同僚の女性と異父兄妹らしいのである。
うん、何とも複雑な関係だ。
「実際、長男の方の祖父母が裕福な家庭で、不動産で莫大な資産を築いだ資産家らしい。
その経営権が、少しずつ長男に譲渡されていてね。
なんの変哲もない中年男性が実はお金持ちの家の生まれでした、なんて話を聞いたわけだ。リアルに。
オレの幼なじみたちは羨ましいとかキャッキャ騒いでいたけど、オレはまぁ、あり得る話じゃないかって冷めた目で見てた。
何となく、オレ自身もそうなるんじゃないか、って予感があったからだと、今になって思うんだよな。
実際、記憶はおぼろげだけどガレージにしてはでかいシャッターがある一角が庭にあった。
開いた時を一瞬だけ見たんだけど、大きい車とヘリがあった。
普通の家にはないだろ?」
確かにそうだ。
普通の家にはないだろう。
車1台が関の山だ。
「そうね。よほどの、財閥のお坊ちゃんとかなら別だけど。」
「それ、可能性あるんだよ。
その知り合いにも、村西さんや遠藤さんにも調べてもらった。
宝月 曹太郎《ほうづき そうたろう》。
俺の父は不動産以外のIT、食品、マスコミ、自動車、保険、教育といったあらゆる分野で財をなした宝月財閥の当主らしい。
上手く、何かしらの遺言が残っていれば、オレが後継者だ。
仮にそうなっても、さ。
ちゃんとオレのこと、好きでいてくれる?」
ぎゅ、と蓮太郎を抱き締める。
「何言ってるの。
そんなの関係ない。
蓮太郎がお金持ちでも、貧乏でも、いいの。
蓮太郎は蓮太郎だもん。
お金とか、外見だけに惹かれたんじゃない!
外見も中身も素敵だから、好きになったんだもん!」
身体を離されると、私の口内で蓮太郎の舌が暴れた。
銀色の糸が伸びた後、名残惜しそうに離れる。
「メイ。可愛いことするな。
1回終わったばっかりで疲れてるだろ?
それとも、もう1回、お望みなの?」
「お望みだよ、って言ったらどうする?」
蓮太郎は私を浴槽から上がらせると、タオルで身体を拭かせてから、再び私を軽々と抱き上げる。
行き先は、もちろん私の部屋。
何度も唇が重なって、全身を愛でるように唇でくまなく触れられる。
「ん……っ!」
何度も甘い声を上げたあと、再び大きさを増した彼自身が入ってきた。
薄い膜、余裕がなさそうなのに、ちゃんとしてくれているところが、蓮太郎の優しさだ。
「やべ、ちょっと早い、かも……
好きだよ、メイ。
大好き。」
「いいの。
好きよ、蓮太郎。
大好きな人と繋がれるの、幸せ……」
数回、突き上げに合わせてベッドのスプリングが音を立てる。
「ありがと。
うん、デーティング期間はもう終わり。
ちゃんとガールフレンドだよ。
メイ。」
ガールフレンド。
そう言われたのが嬉しすぎる。
「私も、大好きよ、蓮太郎。
もう、周りの人にちゃんとボーイフレンド、って言えるの嬉しい!」
蓮太郎に抱き着くと、彼の熱を感じた。
ひときわ身体が跳ねたあと、どちらからともなく意識を手放した。