ボーダー
「眠いよ……」
そう言って、オレの膝に頭を預けてくる。
頭がさ、オレの膨らみに当たりそうなの、分かってやってるだろ?確信犯かよ。
ホントに……可愛いよな……
「ね……なんか……私、不安なの。
なんとなく……帳 奈斗とかと何かひと悶着どころじゃなくてふた悶着くらいあるんじゃないかって思ってる……」
「んなこと、今から気にしてどうすんだよ。
いつもポジティブなハナらしくねぇな……」
ハナの心配は至極もっともだ。
ハナの親友の一木 有海は、その帳奈斗の行為を止めさせようとして、逆に自分が性暴力被害に遭っている。
そんな中でも、帳 奈斗の気持ちの根幹が少し分かったと言っていた。
どうやら本気で彼に好意を抱いているようだ。
今回も、幼学部のときに顔見知りの俺たちに何かを仕掛けてくるかもしれないのだ。
「だってっ……んっ……」
まだ口答えする悪い女の子には、ぷっくりとした唇を塞ぐお仕置きだ。
「平気だよ。
いつも言ってんだろ?
オレが守ってやるって。」
「う……んっ……
あっ……」
首筋にキスを落としただけなのに、かなり声が甘ったるい。
「さてと。
オレは寝るとするか。」
そう言って、オレの方から、ハナがいるベッドから離れた方に向かう。
オレの服の袖を、くいっと掴まれる。
「ねぇ、寝ちゃうの?」
「んー?
オレに寝てほしくないの?
何してほしいか言ってくれれば、ちゃんとしてあげるのに……」
可愛く誘えたら、その分、甘いご褒美をあげることにする。
「ミツ。私を気持ち良くして?
久々……でしょ?」
その台詞に、上目遣い。
完璧だ。
「だね?
オレが恋しくなっちゃった?」
それにしても、大胆だね?
まさかハナがそんなこと言うとは……ね。
離れたベッドで寝ると、オレの子猫ちゃんが寂しがる。
同じベッドで寝てやるか。
もちろん、甘い時間を過ごしたあとで。
「あっ……」
カップ付きキャミソールワンピースを一気に脱がせると、纏っているのは下着だけ。
ハナだけは不公平なので、オレも着ていたジャージの下とTシャツを脱いだ。
纏うのはお互いに薄い布1枚だ。
上と下の膨らみの突起を触ると、可愛い声を上げる。
もう準備は出来ているようだ。
「早く……ミツ……」
下の突起をいじり、指が入るのを確認する。
オレも大きさが増したそれに、被せものをした後、ハナにキスをする。
舌を絡める、呼吸困難になりそうなキスが、繋がる合図だ。
「好きよ?ミツ。」
「俺の方こそ。
好きだ、ハナ。」
そのまま繋がって、しばらく甘い時間を過ごした。
ハナが寝入ったあと、違うベッドに移動して、手際よく、携帯で国際電話にかける。
『もしもし……
何だ、ミツか。
こっち、まだ朝なんだけど?
オレも今起きたばっかりで……』
「知ってる。
ただの寝起きにしては、声が掠れてた。
さてはキサマ、例の想い人を抱いたな?」
『んで?
わざわざこちらの時間に合わせてお前がこんな時間にかけてきたからには、何か理由があるんだろ?』
そこまで言ったくせに、少し待てと電話を保留にされた。
おいおい、まさか、想い人の近くで電話してるのか?
「悪い。
……で?何?」
『分かったんだよ!
メイちゃんって子を犯した2人のうち、もう1人の名前が!』
「レン。
……浅川 将輝のことは聞いたな?
俺も、ハナの中学の同級生から、そのことを聞いたんだが。
いいか、もう1人は……帳 奈斗だ。」
『……オレは一生聞きたくなかった名前だな。』
苦々しい事実を思い出させてしまったらしい。
「オレも同感だ。
……2人はグルだったらしい。
生育歴も似通ったところがあって、すぐに意気投合したようだ。」
『……分かった。
わざわざありがとう。』
「あ、忘れてた。
……今は2人とも、日本にいるらしい。」
『そっか。
……おかげで眠気覚めたわ。』
「また連絡しろよ?
いつでもいいからな。
お前の惚気話も、聞くのを楽しみにしている。
俺の倍くらい、ハナの方が聞くのを楽しみにしているんだがな。」
『惚気話、って……まだないよ。
正式に付き合ってはないし。
わかった。
また連絡するよ。』
電話が切られそうだったので、慌てて引き留める。
正式に付き合ってはいない、だと?
行為の最中に大好きだの言っておいて、彼女ではないのか。
そして、少しでも遠距離恋愛になるなら、曖昧な関係のまま、指輪も何も渡さないのは非情すぎるのではないか。
「はぁ?
どうせ、オレもそうだったから、人のことは言えない。だが、それを承知で言わせてくれ。
最後の最後、間際に大好きやらそんな台詞を言ったんだろ。
改めて気持ちを言わないなどどうかしている。
オレは、付き合ってすぐに指輪をあげたぞ。
指輪くらい渡すべきじゃないのか?
浅川という奴と帳をアメリカに引っ張ってくるために、一度日本に帰るんだろ。
指輪も何もなしに、恋人になった2人が遠距離恋愛に耐えられるとは思えないが。
何かあれば協力する。
大事な幼なじみをオレに譲ってくれたんだ。
今度は、もう一人の幼なじみであるお前の幸せを見届けたいからな。」
正論を言うと、ビックリする返答があった。
『いや、日本だと普通にペアリング、送るだろ。むしろ、アメリカでは婚約するまでは贈らないからな、その類のものは。
あと、ついでに言うなら、日本みたいに結婚を前提に付き合ってください、みたいな感じには言わない。
告白なんて、日本だけだ。
お試しデートを何回か重ねる。
もちろん、抱くのもありだ。
身体の相性も大事だからな。
お試しデートの期間は、相手の彼女や自分の家族、彼女の友人にガールフレンドです、と紹介したら本命の恋人になる、という感じだ。』
え、そうなの?
ありなのか、そういう曖昧な関係。
日本人で良かった。
『じゃ、また連絡するよ。
帰ったらお前も、惚気聞かせろよ。』
電話はレンによって切られた。
余計なお節介だったかな。
でも、有言実行させてもらう。
1通、兄にメールを送る。
兄の彼女がレンと同じ国にいるというから、助け舟を出すよう、依頼してほしい旨を丁寧に書く。
送信完了という表示を確認して、オレも眠りについた。
そう言って、オレの膝に頭を預けてくる。
頭がさ、オレの膨らみに当たりそうなの、分かってやってるだろ?確信犯かよ。
ホントに……可愛いよな……
「ね……なんか……私、不安なの。
なんとなく……帳 奈斗とかと何かひと悶着どころじゃなくてふた悶着くらいあるんじゃないかって思ってる……」
「んなこと、今から気にしてどうすんだよ。
いつもポジティブなハナらしくねぇな……」
ハナの心配は至極もっともだ。
ハナの親友の一木 有海は、その帳奈斗の行為を止めさせようとして、逆に自分が性暴力被害に遭っている。
そんな中でも、帳 奈斗の気持ちの根幹が少し分かったと言っていた。
どうやら本気で彼に好意を抱いているようだ。
今回も、幼学部のときに顔見知りの俺たちに何かを仕掛けてくるかもしれないのだ。
「だってっ……んっ……」
まだ口答えする悪い女の子には、ぷっくりとした唇を塞ぐお仕置きだ。
「平気だよ。
いつも言ってんだろ?
オレが守ってやるって。」
「う……んっ……
あっ……」
首筋にキスを落としただけなのに、かなり声が甘ったるい。
「さてと。
オレは寝るとするか。」
そう言って、オレの方から、ハナがいるベッドから離れた方に向かう。
オレの服の袖を、くいっと掴まれる。
「ねぇ、寝ちゃうの?」
「んー?
オレに寝てほしくないの?
何してほしいか言ってくれれば、ちゃんとしてあげるのに……」
可愛く誘えたら、その分、甘いご褒美をあげることにする。
「ミツ。私を気持ち良くして?
久々……でしょ?」
その台詞に、上目遣い。
完璧だ。
「だね?
オレが恋しくなっちゃった?」
それにしても、大胆だね?
まさかハナがそんなこと言うとは……ね。
離れたベッドで寝ると、オレの子猫ちゃんが寂しがる。
同じベッドで寝てやるか。
もちろん、甘い時間を過ごしたあとで。
「あっ……」
カップ付きキャミソールワンピースを一気に脱がせると、纏っているのは下着だけ。
ハナだけは不公平なので、オレも着ていたジャージの下とTシャツを脱いだ。
纏うのはお互いに薄い布1枚だ。
上と下の膨らみの突起を触ると、可愛い声を上げる。
もう準備は出来ているようだ。
「早く……ミツ……」
下の突起をいじり、指が入るのを確認する。
オレも大きさが増したそれに、被せものをした後、ハナにキスをする。
舌を絡める、呼吸困難になりそうなキスが、繋がる合図だ。
「好きよ?ミツ。」
「俺の方こそ。
好きだ、ハナ。」
そのまま繋がって、しばらく甘い時間を過ごした。
ハナが寝入ったあと、違うベッドに移動して、手際よく、携帯で国際電話にかける。
『もしもし……
何だ、ミツか。
こっち、まだ朝なんだけど?
オレも今起きたばっかりで……』
「知ってる。
ただの寝起きにしては、声が掠れてた。
さてはキサマ、例の想い人を抱いたな?」
『んで?
わざわざこちらの時間に合わせてお前がこんな時間にかけてきたからには、何か理由があるんだろ?』
そこまで言ったくせに、少し待てと電話を保留にされた。
おいおい、まさか、想い人の近くで電話してるのか?
「悪い。
……で?何?」
『分かったんだよ!
メイちゃんって子を犯した2人のうち、もう1人の名前が!』
「レン。
……浅川 将輝のことは聞いたな?
俺も、ハナの中学の同級生から、そのことを聞いたんだが。
いいか、もう1人は……帳 奈斗だ。」
『……オレは一生聞きたくなかった名前だな。』
苦々しい事実を思い出させてしまったらしい。
「オレも同感だ。
……2人はグルだったらしい。
生育歴も似通ったところがあって、すぐに意気投合したようだ。」
『……分かった。
わざわざありがとう。』
「あ、忘れてた。
……今は2人とも、日本にいるらしい。」
『そっか。
……おかげで眠気覚めたわ。』
「また連絡しろよ?
いつでもいいからな。
お前の惚気話も、聞くのを楽しみにしている。
俺の倍くらい、ハナの方が聞くのを楽しみにしているんだがな。」
『惚気話、って……まだないよ。
正式に付き合ってはないし。
わかった。
また連絡するよ。』
電話が切られそうだったので、慌てて引き留める。
正式に付き合ってはいない、だと?
行為の最中に大好きだの言っておいて、彼女ではないのか。
そして、少しでも遠距離恋愛になるなら、曖昧な関係のまま、指輪も何も渡さないのは非情すぎるのではないか。
「はぁ?
どうせ、オレもそうだったから、人のことは言えない。だが、それを承知で言わせてくれ。
最後の最後、間際に大好きやらそんな台詞を言ったんだろ。
改めて気持ちを言わないなどどうかしている。
オレは、付き合ってすぐに指輪をあげたぞ。
指輪くらい渡すべきじゃないのか?
浅川という奴と帳をアメリカに引っ張ってくるために、一度日本に帰るんだろ。
指輪も何もなしに、恋人になった2人が遠距離恋愛に耐えられるとは思えないが。
何かあれば協力する。
大事な幼なじみをオレに譲ってくれたんだ。
今度は、もう一人の幼なじみであるお前の幸せを見届けたいからな。」
正論を言うと、ビックリする返答があった。
『いや、日本だと普通にペアリング、送るだろ。むしろ、アメリカでは婚約するまでは贈らないからな、その類のものは。
あと、ついでに言うなら、日本みたいに結婚を前提に付き合ってください、みたいな感じには言わない。
告白なんて、日本だけだ。
お試しデートを何回か重ねる。
もちろん、抱くのもありだ。
身体の相性も大事だからな。
お試しデートの期間は、相手の彼女や自分の家族、彼女の友人にガールフレンドです、と紹介したら本命の恋人になる、という感じだ。』
え、そうなの?
ありなのか、そういう曖昧な関係。
日本人で良かった。
『じゃ、また連絡するよ。
帰ったらお前も、惚気聞かせろよ。』
電話はレンによって切られた。
余計なお節介だったかな。
でも、有言実行させてもらう。
1通、兄にメールを送る。
兄の彼女がレンと同じ国にいるというから、助け舟を出すよう、依頼してほしい旨を丁寧に書く。
送信完了という表示を確認して、オレも眠りについた。