ボーダー
後から武田さんや茜姉さん、巴姉さんも合流して、皆でホテルに泊まった。
「蓮太郎。
ちゃんとやらせてもらったぜ、カメラ係。」
ボーイさんとすれ違う際に、言われた言葉。
帽子を取ると、見知った顔が。
「か、柏木さん?」
「柏木グループは、不動産なら強いんだ。
このホテルも、柏木グループの所有だ。
時間を作れるか?蓮太郎。
話がある。
柏木グループの代表としてな。
もちろん、そちらも宝月グループの代表として話をしてもらう。
立会人と話をまとめられる力量のある人物が必要だ。
蓮太郎の執事の武田さんと、一番歳上の君の姉にお願いしよう。
あと30分後だ。いけるか?
その他の皆のエスコートは、志穂に任せてあるから安心していい。
オレの父親の元妻という、付録が居なければ話は単純なんだが。」
俺は何を話せばいいんだろう。
その方がグループの代表っぽいから、そのままの格好でいいと巴姉さんに言われる。
30分後、柏木グループの代表、康一郎さんに呼ばれた部屋へ入る。
武田も、巴姉さんも一緒だ。
お互いに着席せず、まずは立って挨拶をする。
柏木さんからの話は、柏木グループと宝月グループで資本業務提携をしようという話だった。
「私たち柏木グループは、先程も申し上げましたが、不動産以外の事業ははっきり申し上げて不得意です。
ですが、不動産でしたらお任せください。
対して、貴グループは不動産以外は多方面に太くしっかりしたパイプをお持ちと見える。
お互いにとって、悪い話ではないと思いますがいかがでしょうか?」
「確かに、悪い話ではございませんね。
私も、お恥ずかしながら今は亡き私の父が住んでいた屋敷の管理等の仕方が不明でして、困り果てておりました。
また、この国に住んでいる祖父母が万が一にも逝去したとき、広い敷地の邸宅ですから、管理等が心配でした。
ぜひ、話を進めていただきたい。
その暁には、貴グループに我が邸宅の管理や修繕、改築等をお任せ致したく思います。」
願ってもない話だった。
実際、屋敷の修繕やリフォーム等も力になってくれそうだったので、どこかのタイミングで話を持ちかけようと思っていた。
なんていいタイミングなんだ。
「お話は伺いました。
私も、我が宝月グループ当主がお決めになったことですから、余計な口添えはいたしません。
ですが、資本業務提携ともなると、弁護士の立ち会いの元、しっかりとした書類を作成する必要があります。
我が当主も、貴グループ代表の柏木様も。
経営方面の知識はまだ豊富ではないと拝察いたします。
つきましては、有能な弁護士のご紹介等でお力添えいたします。」
巴姉さんがそう発言して、柏木さんも納得の表情と宜しくお願いいたしますと述べた。
会議はここで終了となった。
会議を終えると、武田さんが立派だったと褒めてくれた。
その後、バーカウンター併設のレストランにいたなぜかいた村西さんと遠藤さんがノンアルコールのカクテルを振る舞ってくれた。
なんでいるんだ。
しかも、祖父母までいた。
おめでとうと何度も祖父母に肩や背中を叩かれた。
オレとメイの婚約を祝う食事会は、とても充実した時間だった。
食事会を終えると、婚約者と同じベッドで眠った。
本当は、婚約者であるメイをめちゃくちゃに抱きたい気持ちはあった。
しかし、お互いに疲れてしまって、求め合うどころじゃなかった。
それと、明日にはアメリカを発つから、必要以上に寂しくさせないためでもあった。
「手だけは、繋いでいたい。
ダメ?」
「んー?
可愛いお願いしてくるね?
さすがフィアンセ。
今日はできないけど、次会ったら覚悟してな?
何なら次会ったときに着けないでチャレンジしてみる?」
半分冗談で、半分本気だ。
顔を真っ赤にした婚約者に、ペシ、と肩を叩かれた。
あと数年後には、そうできたらいいな。
どちらからともなくキスをしたのを合図に、2人で手を繋いで眠りについた。
「蓮太郎。
ちゃんとやらせてもらったぜ、カメラ係。」
ボーイさんとすれ違う際に、言われた言葉。
帽子を取ると、見知った顔が。
「か、柏木さん?」
「柏木グループは、不動産なら強いんだ。
このホテルも、柏木グループの所有だ。
時間を作れるか?蓮太郎。
話がある。
柏木グループの代表としてな。
もちろん、そちらも宝月グループの代表として話をしてもらう。
立会人と話をまとめられる力量のある人物が必要だ。
蓮太郎の執事の武田さんと、一番歳上の君の姉にお願いしよう。
あと30分後だ。いけるか?
その他の皆のエスコートは、志穂に任せてあるから安心していい。
オレの父親の元妻という、付録が居なければ話は単純なんだが。」
俺は何を話せばいいんだろう。
その方がグループの代表っぽいから、そのままの格好でいいと巴姉さんに言われる。
30分後、柏木グループの代表、康一郎さんに呼ばれた部屋へ入る。
武田も、巴姉さんも一緒だ。
お互いに着席せず、まずは立って挨拶をする。
柏木さんからの話は、柏木グループと宝月グループで資本業務提携をしようという話だった。
「私たち柏木グループは、先程も申し上げましたが、不動産以外の事業ははっきり申し上げて不得意です。
ですが、不動産でしたらお任せください。
対して、貴グループは不動産以外は多方面に太くしっかりしたパイプをお持ちと見える。
お互いにとって、悪い話ではないと思いますがいかがでしょうか?」
「確かに、悪い話ではございませんね。
私も、お恥ずかしながら今は亡き私の父が住んでいた屋敷の管理等の仕方が不明でして、困り果てておりました。
また、この国に住んでいる祖父母が万が一にも逝去したとき、広い敷地の邸宅ですから、管理等が心配でした。
ぜひ、話を進めていただきたい。
その暁には、貴グループに我が邸宅の管理や修繕、改築等をお任せ致したく思います。」
願ってもない話だった。
実際、屋敷の修繕やリフォーム等も力になってくれそうだったので、どこかのタイミングで話を持ちかけようと思っていた。
なんていいタイミングなんだ。
「お話は伺いました。
私も、我が宝月グループ当主がお決めになったことですから、余計な口添えはいたしません。
ですが、資本業務提携ともなると、弁護士の立ち会いの元、しっかりとした書類を作成する必要があります。
我が当主も、貴グループ代表の柏木様も。
経営方面の知識はまだ豊富ではないと拝察いたします。
つきましては、有能な弁護士のご紹介等でお力添えいたします。」
巴姉さんがそう発言して、柏木さんも納得の表情と宜しくお願いいたしますと述べた。
会議はここで終了となった。
会議を終えると、武田さんが立派だったと褒めてくれた。
その後、バーカウンター併設のレストランにいたなぜかいた村西さんと遠藤さんがノンアルコールのカクテルを振る舞ってくれた。
なんでいるんだ。
しかも、祖父母までいた。
おめでとうと何度も祖父母に肩や背中を叩かれた。
オレとメイの婚約を祝う食事会は、とても充実した時間だった。
食事会を終えると、婚約者と同じベッドで眠った。
本当は、婚約者であるメイをめちゃくちゃに抱きたい気持ちはあった。
しかし、お互いに疲れてしまって、求め合うどころじゃなかった。
それと、明日にはアメリカを発つから、必要以上に寂しくさせないためでもあった。
「手だけは、繋いでいたい。
ダメ?」
「んー?
可愛いお願いしてくるね?
さすがフィアンセ。
今日はできないけど、次会ったら覚悟してな?
何なら次会ったときに着けないでチャレンジしてみる?」
半分冗談で、半分本気だ。
顔を真っ赤にした婚約者に、ペシ、と肩を叩かれた。
あと数年後には、そうできたらいいな。
どちらからともなくキスをしたのを合図に、2人で手を繋いで眠りについた。