ボーダー
予想外
ミツのお兄さんを筆頭に、3人の男が降りてくる。
「ハナ、コイツらで間違いないんだな?」
ミツの問いに、強く頷いた。
男たちをミツが険しい目付きで凝視する。
ミツに、宝月検事さんについて、車に乗っているように言われる。
「……てめえらか?
オレの大事な幼なじみに手を出したのは。」
車に乗る途中に、大事な幼なじみ、という言葉に半分嬉しいような、半分ショックなような、複雑な気持ちになった。
「……いい気味だ。
きっと、奈斗も満足してるはずだ。」
奈斗。
その名前は聞きたくなかった。
人間を端から信用しないような、冷たい瞳をした男の子。
その瞳には、子供らしさが微塵も感じられなかった。
ミツは軽く、その男の頬を殴っている。
人に暴力を振るうミツを見ていられなくて、目を伏せていた。
「大丈夫よ、華恵ちゃん。」
巴さんに、ずっと抱きしめられていた。
どれくらいサイズがあるのだろう。
大きな胸が少し苦しかったが、女性らしい、甘くフローラルな香水の匂いで、落ち着いた。
背後にあった木で倒れた拍子に頭を打ったような、犯人の男の人。
まぁ、自業自得、かな?
しばらくして、私がミツやレンと仲直りするまでお世話になっていた学校がこの近くなので、ミツを連れて行った。
やたらと豪華な装飾が施された校門をくぐる。
『蒲田 華恵様はコチラ』
という看板が立っている。
まっすぐ、校長室の前に立って扉をノックして入る。
「篠崎先生、失礼します。
蒲田華恵です。」
「入っていいよ。」
ミツも自己紹介をして、先生と向かい合う。
先生は、傍らにあった箱を私に手渡す。
古びた茶色い箱の中身は……腕輪。
私の祖母の形見。
……祖母は、先生の目の前で殺された。
だから、弁護士っていう夢を叶える前に亡くなったことも知った。
私の宿題。
祖母も見つけられなかった腕輪のチカラを、見つけること。
いろいろ祖母のことが知れてよかった。
さあ、帰ろ!
外に出ると、ミツのお兄さんである智司さんがいた。
巴さんも、こっちに来ているらしい。
だから、彼女の帰りを待ってるんだって。
車内で何を話していたか聞くと、2人きりで仕事の話をしていたって言った。
……あれ?
さっきもらった腕輪に、強く手首を締め付けられるような、違和感がある気がする。
まぁ、気のせいだよね。
二人でまた自転車で高原へ戻ろうと思ったら、いきなりの大雨が降ってきた。
ゲリラ豪雨、というやつらしい。
私たちは、事故らない程度のスピードで自転車を走らせた。
「ハナ、コイツらで間違いないんだな?」
ミツの問いに、強く頷いた。
男たちをミツが険しい目付きで凝視する。
ミツに、宝月検事さんについて、車に乗っているように言われる。
「……てめえらか?
オレの大事な幼なじみに手を出したのは。」
車に乗る途中に、大事な幼なじみ、という言葉に半分嬉しいような、半分ショックなような、複雑な気持ちになった。
「……いい気味だ。
きっと、奈斗も満足してるはずだ。」
奈斗。
その名前は聞きたくなかった。
人間を端から信用しないような、冷たい瞳をした男の子。
その瞳には、子供らしさが微塵も感じられなかった。
ミツは軽く、その男の頬を殴っている。
人に暴力を振るうミツを見ていられなくて、目を伏せていた。
「大丈夫よ、華恵ちゃん。」
巴さんに、ずっと抱きしめられていた。
どれくらいサイズがあるのだろう。
大きな胸が少し苦しかったが、女性らしい、甘くフローラルな香水の匂いで、落ち着いた。
背後にあった木で倒れた拍子に頭を打ったような、犯人の男の人。
まぁ、自業自得、かな?
しばらくして、私がミツやレンと仲直りするまでお世話になっていた学校がこの近くなので、ミツを連れて行った。
やたらと豪華な装飾が施された校門をくぐる。
『蒲田 華恵様はコチラ』
という看板が立っている。
まっすぐ、校長室の前に立って扉をノックして入る。
「篠崎先生、失礼します。
蒲田華恵です。」
「入っていいよ。」
ミツも自己紹介をして、先生と向かい合う。
先生は、傍らにあった箱を私に手渡す。
古びた茶色い箱の中身は……腕輪。
私の祖母の形見。
……祖母は、先生の目の前で殺された。
だから、弁護士っていう夢を叶える前に亡くなったことも知った。
私の宿題。
祖母も見つけられなかった腕輪のチカラを、見つけること。
いろいろ祖母のことが知れてよかった。
さあ、帰ろ!
外に出ると、ミツのお兄さんである智司さんがいた。
巴さんも、こっちに来ているらしい。
だから、彼女の帰りを待ってるんだって。
車内で何を話していたか聞くと、2人きりで仕事の話をしていたって言った。
……あれ?
さっきもらった腕輪に、強く手首を締め付けられるような、違和感がある気がする。
まぁ、気のせいだよね。
二人でまた自転車で高原へ戻ろうと思ったら、いきなりの大雨が降ってきた。
ゲリラ豪雨、というやつらしい。
私たちは、事故らない程度のスピードで自転車を走らせた。