ボーダー
「この家、割と広いから迷っちゃうから、ついてきて。
こんな豪華な家、私としてはそこまでじゃないんだけど……」

なんて言いながら、しっかりオレの手は握っている。
何度も階段を登りながら、やっと有海の部屋に到着したようだ。
ドアノブを回すと、扉は簡単に開いた。

「ありがと。
奈斗のおかげで、母親の呪縛から抜け出す決意が出来た。
奈斗といなかったら、ずっとこのままだったかも。

……着いたよ。
笑わないでね?
子供っぽいけど。」

有海の部屋は、ベッドにステレオ、ピアノにドレッサー、小さな机と、7畳の部屋にいろいろ詰め込まれている。

「適当に座って。
って言っても、座るところ、ベッドしかないんだけど。」

オレの隣にピッタリくっついて座る有海。

スカートの布地から伝わる、有海の体温が高い気がするのは、気のせいだろうか。

「……有海のこと、とろとろに甘やかしたい。
いいよね?」

彼女をそのままベッドに押し倒して、深く唇を重ねる。

「ん……っ」

ブラウスに手を掛けると、察したのか自分で脱いでくれた有海。
服が傷むのを懸念してか、スカートも脱いでくれて、彼女が纏っているのは下着と、スカートのチラ見えを防ぐペチコートのみ。

「……この姿も色っぽいんだよなぁ。
今日、有海にしては珍しい黒だから、余計だし紐なのも堪んねぇ。
なぁに?有海ったら、オレにこうされるの、期待してたの?」

音を立てて吸い、有海の膨らみの間にシルシをつけた。
空いた両手でショーツの紐をあっけなく解くと纏っている布を取った。

「いい眺め。」

それをベッドサイドに置いて、上の布は取らないまま、有海の唇に舌を割り入れた。

「有海の鳴き声可愛いけど、あんまり大きな声出すと聞こえちゃうよ?」

「……奈斗、ズルいよ……」

そう言いながら、有海はオレの手首を優しく掴んで、自ら膨らみの上に誘導した。

「ここがいいんだ?
いい子。」

彼女の膨らみを撫でるように触り、時々舌で刺激してやる。

下に手をやると、すでに準備万端なのが分かった。

「有海も、会えなくて寂しかったか?
オレのここも、可愛い有海に反応できなくて寂しかったって。」

有海の華奢な手を、オレ自身に、布の上から触れさせる。

汚すと困るのと、暑苦しいのでスーツはとっくに脱いでいた。

「私に会うまで、よく我慢できたね?
さすが奈斗。
……ご褒美タイムです。」

有海はそう言って、オレが着ている最後の布を取る。
有海、何する気?

彼女はそのままオレのすでに硬さを増している膨らみをそっと口に含んだ。

「……有海。
ご褒美は嬉しいんだけど、もう少し後で貰おうかな?
今はね、余裕ないんだ。」

有海の頭を撫でて、後ろを向くと、万が一がないように被せる。

「……婚約者が可愛すぎて、色っぽすぎて。
今回だけは、限界早そう。
その分、後でたっぷりご褒美もらうね?」

一気に有海と繋がると、有海自身の熱さと狭さにどうにかなりそうだった。

それを堪えて何度か律動を繰り返し、彼女の方から一度、深く唇を重ねてくれた。

「……有海、愛してる。
っ、く……
やべ。」

達する間際に彼女がぎゅ、と抱きしめてくれたため、熱さをより感じられた。

だからだろうか。
溜めていたせいもあるだろうが、膜越しに受け止めきれるギリギリの量を吐き出した。
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