ボーダー
「レン!嘘でしょ……しっかりしてよ!
レン……!レン……!
いや!
死んじゃいや!」
オレはレンのカバンのポケットからはみ出ていた手錠で犯人を拘束した。
それから、ハナを落ち着かせるべく、声を掛けた。
「ハナ……落ち着けって。」
そう言うが、ハナは宝物の指輪を握りしめて、首を左右に振りながら、レンの側から離れないでいる。
やがて救急車到着。
オレとハナは病院まで同行した。
医者によると、傷はそれほど深くないらしい。
すると、鈴原先生が走って駆けつけた。
「レンくんは……?」
「意識が戻れば大丈夫だそうです。」
「……鈴原先生。
なんでミツたちはここがわかったの?」
先生はさっき魔導学校でオレに話した通りのことを、今度はハナに語る。
「二人で話し合って来たら?」
こんな場所で本音を話していいのか?
メールだ。
『"錠"と"復活"のカート゛が出てたわ』
先生がメールの送り主は鈴原先生だった。
お得意のカード占いか。
この言葉と、"今日聞かなかったら一生聞けなくなるかもしれない"という気持ちのおかげで、迷いはなくなった。
話し合うことにしたオレは、レンの病室の近くのソファーに座って言う。
「ねぇ、オレとレンが持つこのブローチに魔力込めたの、ハナなの?」
ブローチを突き付けて追及すると、意外にもあっさりと本音を話し始めた。
「あのね、幼稚園の頃は3人でよくつるんでたのに最近はそういうのなくなって、なんか寂しかったの。
レンもアメリカに行っちゃうし、ミツも私をいじめるようになった。
だから、もう私のことキライなのかなって思ったの。
まだ私達の心がちゃんと、昔みたいに繋がってるのか、ってことを、このブローチを使って試したかった。」
オレは、ひたすら謝った。
そして、すべて伝えた。
また3人で仲良くしたいということも。
「私こそ。
ミツとレンに嫌われてると思って勝手に心閉ざしてたし。
ごめんね。
……良かった。
これでまた毎日楽しいなぁ。昔
みたいには、いかないかもだけど。
だって、私も、ミツとレンのこと、ちゃんと男の子として意識してるもん。」
「ま、そうだよな。
お前、危なっかしいからほっとくと何するかわかんねぇし。」
「ちょっと!
それ、どういう意味!?」
……この感じ。懐かしいな。
オレがそう思ったとき、ブローチが光った。
オレはハナの顔を覗き込んだ。
この光の意味を聞きたいだけだったのに、なぜか泣いていた。
……コイツは昔から、オレらの前でもめったに泣かなかったのに。
珍しいこともあるものだ。
「何だ。
私達、ちゃんと繋がってたんだね。」
オレはたまらず、ハナをそっと抱き寄せた。
ちょっと丸みを帯びてきた身体に、あの頃より伸びた身長。
少し胸が突き出て来ている。
女として発展途上な、柔らかい感触に、少し戸惑ったが。
「ごめんな?
泣くなよ……」
「ミツもレンも昔から変わってないね。
私に何かあったら自分を犠牲にしてでも助けてくれるし。
もう2人が助けてくれることなんてないと思ってたから。」
オレの腕の中で泣きじゃくっている彼女を、さらに力を込めて抱いた。
戸惑う声を遮るように言う。
「オレも、ずっとハナに会いたいって思ってたから。
会えて嬉しかったし。
急にこんなことしてごめんな?」
「気にしないで。
……あっ!」
「どうした?
ハナ。」
「レンの意識、戻ったみたい!
オーラがはっきりしてる。」
「マジで?」
オレは、ハナと2人で、レンのいる病室へと向かった。
レン……!レン……!
いや!
死んじゃいや!」
オレはレンのカバンのポケットからはみ出ていた手錠で犯人を拘束した。
それから、ハナを落ち着かせるべく、声を掛けた。
「ハナ……落ち着けって。」
そう言うが、ハナは宝物の指輪を握りしめて、首を左右に振りながら、レンの側から離れないでいる。
やがて救急車到着。
オレとハナは病院まで同行した。
医者によると、傷はそれほど深くないらしい。
すると、鈴原先生が走って駆けつけた。
「レンくんは……?」
「意識が戻れば大丈夫だそうです。」
「……鈴原先生。
なんでミツたちはここがわかったの?」
先生はさっき魔導学校でオレに話した通りのことを、今度はハナに語る。
「二人で話し合って来たら?」
こんな場所で本音を話していいのか?
メールだ。
『"錠"と"復活"のカート゛が出てたわ』
先生がメールの送り主は鈴原先生だった。
お得意のカード占いか。
この言葉と、"今日聞かなかったら一生聞けなくなるかもしれない"という気持ちのおかげで、迷いはなくなった。
話し合うことにしたオレは、レンの病室の近くのソファーに座って言う。
「ねぇ、オレとレンが持つこのブローチに魔力込めたの、ハナなの?」
ブローチを突き付けて追及すると、意外にもあっさりと本音を話し始めた。
「あのね、幼稚園の頃は3人でよくつるんでたのに最近はそういうのなくなって、なんか寂しかったの。
レンもアメリカに行っちゃうし、ミツも私をいじめるようになった。
だから、もう私のことキライなのかなって思ったの。
まだ私達の心がちゃんと、昔みたいに繋がってるのか、ってことを、このブローチを使って試したかった。」
オレは、ひたすら謝った。
そして、すべて伝えた。
また3人で仲良くしたいということも。
「私こそ。
ミツとレンに嫌われてると思って勝手に心閉ざしてたし。
ごめんね。
……良かった。
これでまた毎日楽しいなぁ。昔
みたいには、いかないかもだけど。
だって、私も、ミツとレンのこと、ちゃんと男の子として意識してるもん。」
「ま、そうだよな。
お前、危なっかしいからほっとくと何するかわかんねぇし。」
「ちょっと!
それ、どういう意味!?」
……この感じ。懐かしいな。
オレがそう思ったとき、ブローチが光った。
オレはハナの顔を覗き込んだ。
この光の意味を聞きたいだけだったのに、なぜか泣いていた。
……コイツは昔から、オレらの前でもめったに泣かなかったのに。
珍しいこともあるものだ。
「何だ。
私達、ちゃんと繋がってたんだね。」
オレはたまらず、ハナをそっと抱き寄せた。
ちょっと丸みを帯びてきた身体に、あの頃より伸びた身長。
少し胸が突き出て来ている。
女として発展途上な、柔らかい感触に、少し戸惑ったが。
「ごめんな?
泣くなよ……」
「ミツもレンも昔から変わってないね。
私に何かあったら自分を犠牲にしてでも助けてくれるし。
もう2人が助けてくれることなんてないと思ってたから。」
オレの腕の中で泣きじゃくっている彼女を、さらに力を込めて抱いた。
戸惑う声を遮るように言う。
「オレも、ずっとハナに会いたいって思ってたから。
会えて嬉しかったし。
急にこんなことしてごめんな?」
「気にしないで。
……あっ!」
「どうした?
ハナ。」
「レンの意識、戻ったみたい!
オーラがはっきりしてる。」
「マジで?」
オレは、ハナと2人で、レンのいる病室へと向かった。