ボーダー
翌日、帰る前に野外炊事をして皆でカレーライスを作った。
レンがかなり手際良くてかなりビックリ。
昨日気付いたばかりのミツへの気持ち。
ミツの前でヘマは出来ないなあ。
私も頑張ろ!
野菜切りながらそんなことを考えていた。
昨日、私の話を聞いてもらった流れで、友佳と由紀の好きな人も聞いちゃったもんね。
友佳の好きな子は、保育園から一緒の男の子、黒沢 一成《くろさわ かずなり》くん。
ストレートの黒髪でミツよりは身長が低いけど鼻筋のラインがまっすぐでちょっとタレ目の男の子。
保育園から小学校の頃は、友佳の方から遊びに誘ってたんだって。
それがいつの頃からか逆転して、一成くんから誘われるようになった。
そこから好きかも、って思い始めたみたい。
塾も同じで、よく帰りに送ってもらったりもしたらしい。
疲れただろうから、って何も言わずに友佳の好きな紅茶のペットボトルを選んでくれるのも、特別感があってキュンとしたとか。
麻紀の方は、料理教室の先生の息子さんが好きみたい。
しかも、同じ学年。
相原 真《あいはら まこと》くん。
料理教室でも、先生のアシスタントとしてたまに手伝っているらしく、料理教室の女子たちからはモテるらしい。
当の真くん本人は、麻紀のことが心配らしく、麻紀の方を手伝ってくれたり、帰りに送ってくれたりするようだ。
友佳も麻紀も、青春してるねぇ。
行事はたくさんあるんだし、どこかのタイミングで告っちゃえばいいのに。
「痛っ!!」
案の定、手切っちゃった。
考え事、してたからだ。
「何?
手、切ったの?
だからお前、昔から言ってるだろ?
危なっかしい、って。
ちゃっちゃと終わらせてからゆっくり手当てしてやるから、
とりあえず消毒な?」
……ちゅっ。
言って、指にキスしてきた。
指に触れる唇の感触が柔らかい。
「ごめんな?
……これくらいしか出来なくて。」
「う……ううん。
嬉しかったよ?」
「良かった。」
無事に、失敗することなく、カレーライスが完成した。
私はもちろん、カレーライスが完成したあとでミツにしっかり手当てしてもらった。
「まったく。
綺麗な指、怪我するなよ。
オレかレンに貰うのかは知らないけど、将来婚約指輪もらうときに痛々しいと困るだろ。」
え。
ちょっと!
さらっとそんなこと言わないで!
っていうか、16歳にはまだなっていない。
まだ、私もミツも結婚できる年齢じゃないんだけど……。
余計、意識しちゃうじゃん!
帰るときに重い荷物持って歩かなきゃいけなくて、よろけて転びそうになった。
「危ねえな。
ちゃんと前見て歩けよ。
ハナが怪我したら気が気じゃない。」
抱き留めてくれたミツの腕の温もりと力強さ。
心臓の鼓動が早すぎて、このまま死ぬんじゃないかと思ったくらいだ。
宿泊オリエンテーションは、ひたすらミツにドキドキさせられて終わったことしか覚えていない。
レンがかなり手際良くてかなりビックリ。
昨日気付いたばかりのミツへの気持ち。
ミツの前でヘマは出来ないなあ。
私も頑張ろ!
野菜切りながらそんなことを考えていた。
昨日、私の話を聞いてもらった流れで、友佳と由紀の好きな人も聞いちゃったもんね。
友佳の好きな子は、保育園から一緒の男の子、黒沢 一成《くろさわ かずなり》くん。
ストレートの黒髪でミツよりは身長が低いけど鼻筋のラインがまっすぐでちょっとタレ目の男の子。
保育園から小学校の頃は、友佳の方から遊びに誘ってたんだって。
それがいつの頃からか逆転して、一成くんから誘われるようになった。
そこから好きかも、って思い始めたみたい。
塾も同じで、よく帰りに送ってもらったりもしたらしい。
疲れただろうから、って何も言わずに友佳の好きな紅茶のペットボトルを選んでくれるのも、特別感があってキュンとしたとか。
麻紀の方は、料理教室の先生の息子さんが好きみたい。
しかも、同じ学年。
相原 真《あいはら まこと》くん。
料理教室でも、先生のアシスタントとしてたまに手伝っているらしく、料理教室の女子たちからはモテるらしい。
当の真くん本人は、麻紀のことが心配らしく、麻紀の方を手伝ってくれたり、帰りに送ってくれたりするようだ。
友佳も麻紀も、青春してるねぇ。
行事はたくさんあるんだし、どこかのタイミングで告っちゃえばいいのに。
「痛っ!!」
案の定、手切っちゃった。
考え事、してたからだ。
「何?
手、切ったの?
だからお前、昔から言ってるだろ?
危なっかしい、って。
ちゃっちゃと終わらせてからゆっくり手当てしてやるから、
とりあえず消毒な?」
……ちゅっ。
言って、指にキスしてきた。
指に触れる唇の感触が柔らかい。
「ごめんな?
……これくらいしか出来なくて。」
「う……ううん。
嬉しかったよ?」
「良かった。」
無事に、失敗することなく、カレーライスが完成した。
私はもちろん、カレーライスが完成したあとでミツにしっかり手当てしてもらった。
「まったく。
綺麗な指、怪我するなよ。
オレかレンに貰うのかは知らないけど、将来婚約指輪もらうときに痛々しいと困るだろ。」
え。
ちょっと!
さらっとそんなこと言わないで!
っていうか、16歳にはまだなっていない。
まだ、私もミツも結婚できる年齢じゃないんだけど……。
余計、意識しちゃうじゃん!
帰るときに重い荷物持って歩かなきゃいけなくて、よろけて転びそうになった。
「危ねえな。
ちゃんと前見て歩けよ。
ハナが怪我したら気が気じゃない。」
抱き留めてくれたミツの腕の温もりと力強さ。
心臓の鼓動が早すぎて、このまま死ぬんじゃないかと思ったくらいだ。
宿泊オリエンテーションは、ひたすらミツにドキドキさせられて終わったことしか覚えていない。