ボーダー
乗っていたのは、晋藤さんに和田さん。
副業はパイロットに私立中学の保健の先生。

和田さんにバッチリ手当てしてもらって、ヘリでそのままホテルまで送ってもらった。

……ホテルに戻ると、怖いと有名な生活指導の先生が仁王立ちしていた。

「何?
こんな時間まで練習してたのか。
明日のスピーチ楽しみにしてるぞ。」

って言われただけで、ミツと二人で口をあんぐりさせてた。

夕食会場に入ると、皆が心配してくれた。

あれ?

友佳と一成くんが、手を繋いでいる。

ははーん、なるほど。
ついに付き合ったわけね。
友佳に手招きして、おめでとうって言う。

「ハナもでしょ?
おめでとー!」

友佳、テンション高すぎだなぁ。
浮かれすぎだ。

真くんと話していた麻紀は、
顔を真っ赤にしていた。

早く真くんに告白すればいいのに。

詳しくは、入浴のときに相談をくれるらしい。

熱いくらいのお湯に浸かりながら、麻紀は、
真くんが好きだと白状した。

「確かに、顔は整ってるしね。
でも、ちょっと手は早そうかな?
そんな彼を好きなんだもん、麻紀も抱かれる覚悟はある、ってことでしょ?
正直痛みで死ぬ思いするよ、覚悟したほうがいいかも。」

経験済みなのかと麻紀と友佳はとっても驚いていた。

「え、ハナ、マジで?」

「一応、ね。
まだ三角関係のときに、幼なじみ2人と既に。
2人とも優しかったけど、やっぱりそれなりに痛みはあったかな。」

ミツも、レンも優しかった。
後に、ミツはあのときフリだけで挿れてはなかったことを本人から聞くのだが。

レンは、有り余りすぎていたけれど。

「後で、詳細聞かせてください、ハナ先生!」

私は先生ではないけれど。

ミツが、真くんに連絡をして、私たちの部屋でウノをやっているから来いと呼びつけた。
麻紀と手を繋ぎながら来たので、これはカップル成立したな、と思った。

「お楽しみ中だった、って言ったろ。
ポテチ1袋おごれよ。
賭けはオレが勝ったんだ。」

ミツやレン、一成くんは、カップル成立した後にイチャついていたかいないかを賭けていたようだ。
ポテチ1袋は安くない?

ウノに興じていると、風紀委員の顧問に怒られた。

「コラー!
いつまで遊んでる!
あと10分で消灯時間だぞ!
生活係の相原まで!
何やってるんだ、全く!

早く部屋戻れよお前ら!」

風紀委員の顧問を追いかけるように、レンが部屋を出て行き、カップル3組が部屋に残る。

私は、グイとミツに手を引かれて、カーテンの後ろに隠れる。

「あ……んっ……」

いきなり、舌が絡まる深いキスをされた。
片方の手は私の身体を支えながらも、もう片方の手は、私のTシャツからラインの出る、膨らみに伸びていた。

「あっ……」

「可愛い鳴き声、いつか聞かせて?
予約な。

じゃ、早く寝ろよ?
おやすみ。」

耳元で言われて、軽いキスをくれた後、ミツは私をカーテンの裏から解放した。

夜までガールズトークをして、眠りについた。

いつぐらいに結婚して子供を産みたいか、なんて話まで飛び出したときはさすがにビックリした。

私は、何になるかはまだ決まっていないが、ミツは検事だ。
公務員なので多忙だろう。
割と安定してから出産したいので、25歳くらいで良いと答えた。

友佳は、結婚願望は強いらしく、早く結婚したい、高校卒業後に入籍と何ならデキ婚でも構わないという。

まさか、本当にこの言葉通りになるなんて、私も麻紀も思っていなかった。

麻紀は、そこまではまだ考えていないらしい。

つまんないの。

翌日はスピーチ大会。
レンは参加者へのエールを送ることしか出来ず不満げにしていた。

私は惜しくも準優勝。
ミツが優勝していた。
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