ボーダー
〈麻紀side〉
夕食の後のスピーチ練習終わった後に、自分のケータイがないことに気付く。
急いで夕食会場に戻ったが、ケータイはなかった。
「ケータイについてるくまのマスコット、お気に入りなのに……」
あのマスコットは、料理教室の帰りに、真くんとゲーセンに寄ったときに、麻紀がねだったら彼が取ってくれた宝物。
あまりUFOキャッチャーなんてやらないから自信がない、なんて言っていたのに、難なく取ってくれた。
手先が器用なのは、料理をやってるからか。
「麻紀、顔がニヤけてるぞー?」
「わかった、お風呂から上がったら私が今まで行った場所回って探すよ!
だから麻紀は早く、お風呂の準備しちゃいな?」
ハナがそう言ってくれて嬉しい。
持つべきものは友人だ。
大浴場に入る前に、私と友佳がおずおずとジャージを脱ぐ。
対するハナは、気にする風もなくジャージを脱いでいた。
胸、私よりあるなぁ。
ついさっき、正式に彼氏になった幼なじみの彼には、既に愛された後なのだろうか。
その辺りも聞いてみよ!
身体や髪を洗い終えて、家のお風呂の何倍も広い湯船に浸かる。
「気持ちいい!
広いお風呂の開放感、ヤバいね!」
「ホントに最高!
……あ、そうだ、麻紀。
ケータイのことなんだけどさ、一回真くんに聞いてみてから探したほうが良いよ!
ウチらの班の生活係、真くんだし!!」
「う……うん……」
真の名前で、彼の顔が頭に浮かぶ。
「顔赤いよ?
さては麻紀、真くんのこと好きだね?
この際だ、ちゃんとカップル成立させちゃおうよ!
いい思い出になるよ?」
うぅ……ハナ、何でわかるのさ……
もしかしてエスパー?
「す……好き……だよ……」
「確かに、顔は整ってるしね。
でも、ちょっと手は早そうかな?
そんな彼を好きなんだもん、麻紀も抱かれる覚悟はある、ってことでしょ?
正直痛みで死ぬ思いするよ、覚悟したほうがいいかも。」
「け、経験済み!?」
麻紀と友佳の声がハモった。
「え、ハナ、マジで?」
「一応、ね。
まだ三角関係のときに、幼なじみ2人と既に。
2人とも優しかったけど、やっぱりそれなりに痛みはあったかな。」
「後で、詳細聞かせてください、ハナ先生!」
私の知らないことを、たくさん知っているっぽい、私の親友。
神って崇めたい……
だけどどうしたらいいんだろう。
あっ!
あるアイデアが浮かんだ。
「真くんに借りたジャケットとマフラー……
返すのすっかり忘れてたの!
それ、返すついでに聞いてみる、ってどうかなぁ?」
それは、3時間前ほどのこと。
何か異常なくらい寒気がしたから、風邪だったら困るって思って部屋にいることにした。
そのときに真くんが、自分のジャケットとマフラーを貸してくれた。
それを、バタバタしていて返すタイミングがなかったのだ。
「返すついでに告っちゃえ!」
「そうだよー!
私なんて一成に非常階段で告ったんだもん、ムードもへったくれもなかったから、憧れが無残に砕け散ったよ……」
「その話も寝る前に聞かせて!
友佳先生!」
先生が2人もいるなんて、恵まれすぎている。
「男子部屋なら多少はムードもあるしね。
ミツもレンも恋愛に関しては勘が鋭いからね、気を利かせて2人きりにさせてくれるかも?」
あの2人ならやってくれそう。
「麻紀、先上がるね!
2人はゆっくりしてて!」
手早く身体を拭くと、白の下着を着けて、Tシャツとショートパンツに着替える。
髪は完全には乾いていないが、真くんのところに行くほうが先だ。
真くんのところ、行かなきゃ!
夕食の後のスピーチ練習終わった後に、自分のケータイがないことに気付く。
急いで夕食会場に戻ったが、ケータイはなかった。
「ケータイについてるくまのマスコット、お気に入りなのに……」
あのマスコットは、料理教室の帰りに、真くんとゲーセンに寄ったときに、麻紀がねだったら彼が取ってくれた宝物。
あまりUFOキャッチャーなんてやらないから自信がない、なんて言っていたのに、難なく取ってくれた。
手先が器用なのは、料理をやってるからか。
「麻紀、顔がニヤけてるぞー?」
「わかった、お風呂から上がったら私が今まで行った場所回って探すよ!
だから麻紀は早く、お風呂の準備しちゃいな?」
ハナがそう言ってくれて嬉しい。
持つべきものは友人だ。
大浴場に入る前に、私と友佳がおずおずとジャージを脱ぐ。
対するハナは、気にする風もなくジャージを脱いでいた。
胸、私よりあるなぁ。
ついさっき、正式に彼氏になった幼なじみの彼には、既に愛された後なのだろうか。
その辺りも聞いてみよ!
身体や髪を洗い終えて、家のお風呂の何倍も広い湯船に浸かる。
「気持ちいい!
広いお風呂の開放感、ヤバいね!」
「ホントに最高!
……あ、そうだ、麻紀。
ケータイのことなんだけどさ、一回真くんに聞いてみてから探したほうが良いよ!
ウチらの班の生活係、真くんだし!!」
「う……うん……」
真の名前で、彼の顔が頭に浮かぶ。
「顔赤いよ?
さては麻紀、真くんのこと好きだね?
この際だ、ちゃんとカップル成立させちゃおうよ!
いい思い出になるよ?」
うぅ……ハナ、何でわかるのさ……
もしかしてエスパー?
「す……好き……だよ……」
「確かに、顔は整ってるしね。
でも、ちょっと手は早そうかな?
そんな彼を好きなんだもん、麻紀も抱かれる覚悟はある、ってことでしょ?
正直痛みで死ぬ思いするよ、覚悟したほうがいいかも。」
「け、経験済み!?」
麻紀と友佳の声がハモった。
「え、ハナ、マジで?」
「一応、ね。
まだ三角関係のときに、幼なじみ2人と既に。
2人とも優しかったけど、やっぱりそれなりに痛みはあったかな。」
「後で、詳細聞かせてください、ハナ先生!」
私の知らないことを、たくさん知っているっぽい、私の親友。
神って崇めたい……
だけどどうしたらいいんだろう。
あっ!
あるアイデアが浮かんだ。
「真くんに借りたジャケットとマフラー……
返すのすっかり忘れてたの!
それ、返すついでに聞いてみる、ってどうかなぁ?」
それは、3時間前ほどのこと。
何か異常なくらい寒気がしたから、風邪だったら困るって思って部屋にいることにした。
そのときに真くんが、自分のジャケットとマフラーを貸してくれた。
それを、バタバタしていて返すタイミングがなかったのだ。
「返すついでに告っちゃえ!」
「そうだよー!
私なんて一成に非常階段で告ったんだもん、ムードもへったくれもなかったから、憧れが無残に砕け散ったよ……」
「その話も寝る前に聞かせて!
友佳先生!」
先生が2人もいるなんて、恵まれすぎている。
「男子部屋なら多少はムードもあるしね。
ミツもレンも恋愛に関しては勘が鋭いからね、気を利かせて2人きりにさせてくれるかも?」
あの2人ならやってくれそう。
「麻紀、先上がるね!
2人はゆっくりしてて!」
手早く身体を拭くと、白の下着を着けて、Tシャツとショートパンツに着替える。
髪は完全には乾いていないが、真くんのところに行くほうが先だ。
真くんのところ、行かなきゃ!