素敵すぎる上司
嘘ついちゃった。涼、ごめん!


「そう言えば、涼君には一度も会ってないな?」


「そうですね。あの子はバイトや何かで、いつも帰りが遅いですからね」


「二十歳だよな? シスコンだったら大変だなあ」


「それはないけど、なぜですか?」


「んー、例えば、『大事な姉をおまえなんかに渡さない』と言われるとか? 『手を出しやがって!』とか言って俺を殴るとかね」


「やだあ、香取さん考え過ぎ!」


その時、私の携帯がブルブル振るえ、涼からのメールを告げた。

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