俺様と奏でるハーモニー


そんな訳で、五十嵐先生とは勤務時間限定のお付き合いをして、5時以降は極力顔を合わせないようにしていた私。


吹奏楽部の指導もあるし、元々あまり職員室にはいないもの。


勤務時間中はとにかく真面目に仕事したわ。


こう見えても、やるときはやるんですから!


そして、5月のある吉日。


職員朝会で校長先生から。

「嬉しいお知らせがあります。この度、本間先生が、結婚されることになりました」


職員室にちょっとしたどよめき。


「8月に式を挙げるということです。相手は……」


ん?

普通『お相手は』とか『相手の女性は』とか言わない?


校長先生、言いにくそうに。

「私の娘です……」


職員室が一気にざわついた。


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