俺様と奏でるハーモニー
4時間目が終わった。
1時から年休を取っていた私たちは、まず必要書類を持って市役所へ。
婚姻届を提出して、諸々の書類をついでに受け取って。
これで晴れて、私は
『五十嵐由奈』になったのね。
……ちなみに、職場では紛らわしいので、年度末まで『芹沢』で通すことにしたの。
市役所近くにあるホテルのランチバイキングで、ゆっくり食事をしていたときのこと。
「この後、どうするの?」
「由奈、パスポート持ってるか?」
「ありますけど……あ、入籍したら手続きしないと使えない!」
「だろ? だからパスポート用の写真を撮って、新しく作り直したほうがいい。
作り直すためには、新しくなった戸籍抄本とかいろんな書類が必要なんだ。
それが市役所からもらえるまでにちょっと期間が必要で、パスポートが出来上がるまでにさらに2週間近くかかるから、早く入籍したかったっていうのもある。
10年使うからちゃんとした写真にしたいよな?
写真館で撮って、それから旅行代理店へ行こう。
海外ウエディングがいいって前に話してただろ?」
……どこまで計画的なんだろう、この俺様は。