俺様と奏でるハーモニー


「修さん?」


気がつくと、キーボードを挟んですぐ向かいに立っている。



「何でそんな、悲しい顔してるんだ?」



「そんなことありませんよ。

だって私、修さんとこうしていられて幸せです」



だからこそ、もしも私が異動することになったら。


こんな幸せを知ってしまった後で離れるなんて、きっと無理。


私は、ベランダから天の川を眺めた。


今日はいい天気。


織姫と彦星も、きっと今頃ラブラブな時間を過ごしているはず。


どうか、新婚子羊の願いを聞いてください。


「年内に赤ちゃんが来てくれますように……」



「……異動のこと、考えてたのか。

大丈夫。子どもは親を選んで生まれてくる。

俺の子どもだから、時期もちゃんと選んで来るに決まってる」



新婚狼は

「さ、そのための練習!」

なんて言って、また私をお姫様抱っこで寝室へ連れ去りました……。


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