俺様と奏でるハーモニー
そして迎えた8月8日。
修さんは尺八を、私は着物を持って式場のホテルへ。
……修さん、やたら荷物が多い?
予約していたホテルの美容室で着付けとヘアメイクをお願いしている間、修さんはひとり、まだ準備中の式場で音出しをしていたらしい。
着付けが終わって式場へ行ってみたら、修さんがピアノの音を出しながら、ピッチを合わせていたの。
「お待たせしました!」
こっちを振り返った時の、修さんの嬉しそうな顔。
「やっぱり俺、和服萌え、かも」
な、なんですかそれ!?
「和服の似合う奥さんっていいよなぁ。
このまま連れて帰りたい」
「何をバカなこと言ってるんですか!!
このままトンズラしたら、私は陸の孤島に飛ばされますよ!」
「……そうだった」
さ、狼が暴れる前にリハーサルやらなくちゃ。