俺様と奏でるハーモニー


「修さんの袴姿は、とっても素敵だと思う!

ここだけの話、本日の新郎よりずっと男前よ」


「……そうか?

もっと、褒めてくれると嬉しいんだけどな」



ほろ酔いの私、大サービスしちゃうもんね。

修さんの空いてるほうの手を掴んで、上目遣いで言ってみた。



「和服の似合う旦那様っていいわ。

……このまま連れて帰りたくなっちゃった」


修さんがにやりと笑った。


「俺の台詞、パクるなよ。

二人でトンズラしたら、陸の孤島へ飛ばされるんだろ!?

二次会は欠席して、お互いこの姿のまま帰ろう、な?」



……何となく、はめられた気がするのは気のせい、かしら?


まさか、とは思うけど、過去の話で同情を誘って、自分の思い通りに話を進めていませんか、この策略家!!


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