俺様と奏でるハーモニー


演奏が終わると、校長先生は一礼して、お嬢さんのところへ駆け寄った。


……一人娘だもの、色々な想いがあるんだと思うわ。


お嬢さん、良かったわね。あなたのお父さんは素晴らしい方ですよ。


校長先生とお嬢さん、感激して泣いてます……見ている周りもちょっと泣いてる、かも。


暖かい拍手が沸き起こる中、私はちょっぴり後悔した。


お父さんとお母さんも、私の花嫁姿、生で見たかったかも知れないって。




さて、会場内が『聴く』雰囲気になったので、ちょっぴりやりやすくなったかな?


決して校長先生を私達の『前座』にしたわけではないのよ。


……本気で練習した私達の後に回したら、いろんな意味で校長先生の娘もあんなに泣けなかったと思うし。


司会者からの曲紹介の後、ピアノの斜め向かいに立った修さんが、私を見た。


いよいよ、演奏するときがきたのね。



本気モードの格好で演奏することになった私と修さん。


演奏ももちろん、本気でいくわよ!


……ちょっぴり酔ってるけど、この位の方が調子が出るはず!


(よいこはまねしちゃだめよ)

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