俺様と奏でるハーモニー


「島の人達は、みんないい人だったよ。

だからこそ、外から来ている教員がこの島をダメにしているようで、情けなかった。

でも、俺一人の力ではどうにもできなかった。

とにかく、島から出ることだけを考えていた俺もある意味『負け犬』なんだよな」


「そんなことない!!

修さんは悪くないもの。

努力しなかった訳ではないし、そんな環境だったらみんな出たいって考えるのも当たり前。

修さんは、それでもポリシーを曲げなかった。

もしそれで周りと同調していたとしたら、そっちのほうが『負け犬』だわ」



出会ったときは強烈な『俺様』としか思えなかった修さんの人柄。


私の事を気に入ったからちょっと意地悪していたっていうこともあったみたいだけど。


でもその『俺様』にはちゃんと筋が通っていたのよね。


単なるわがままだったら、『俺様』ではなく『お子様』だもん。


30超えててそれはちょっと恥ずかしいわ。


……そんな人だったら、好きになんてならなかったと思うけど。

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