俺様と奏でるハーモニー
「ちなみに、木の尺八はモノにもよるけど、だいたい1本3万程度。
だけど、竹になると最低でも30万以上する。
俺が使ってるのは、当然もっと高い。
師範になったとき、じいさんがお祝いにって買ってくれたものなんだ」
「意外と高いんですね~」
「多分、安い新品ピアノが買える位だぞ。
しかも、一度竹が割れると、修理してももう元には戻らないんだ。
また新しい竹を買っても、馴染むまでに相当時間がかかる。
だから、極力外には出したくない、けど、それで練習しないと上手く合わせられない。
そんな訳で、うちで夜8時まで練習するのが一番いい訳」
「……わかりました。それじゃあ、校長先生にさっき言った話、修正しとかなきゃ」
その時、修さんがじろりと私を睨んだ。
「何か余計なこと吹き込んだんじゃないよな!?」