俺様と奏でるハーモニー
余計なことは何も言ってないわよ。
「お互い、民間のアパートに住んでいるから、夜は練習できません。
だから、空き時間とか放課後に練習させてくださいって言っただけです」
「それは問題ない、というよりそのほうが俺もここに居られて好都合だ。
そうじゃなく、なぜかやっぱり俺も公開授業研に引っ張り出されることになってる!!
由奈が余計なこと言ったんじゃないよな!?」
「私と修さんとで頑張って練習しますって言っただけよ。
そしたら校長が『他の人に何か言われたら、公開授業研のためですって言っておけ』って。
勤務時間中に、娘の結婚式の余興の練習させてますって、さすがに言えないでしょ、あの校長だって」
「……はめられたな、俺」
「……そうですね。これで、数学科から初の音楽教育研究会・授業者になれますよ」
「なりたくなんてね~よ」
「でしょうね。でも、校長はそのために修さんを島から出してくれたんですよ、きっと」
島から出たがってたんでしょ?