俺様と奏でるハーモニー
「あのね、そういう意味で言ったんじゃないわ。
一般常識として、だから。
森本先生が合格した時、同い年だからって、自分よりキャリアの長い人を『同期』なんて言ったら、ひんしゅくを買うのはあなたなの。
そうならないために訂正しただけなんだけど」
勉強も常識も知らないで、勤務時間中に色目使ってばかりいるから落ちるのよ、とは言いません。
でも、顔に出てたのかもね。
だって、ますます凄い剣幕で怒りはじめたもの。
「あぁそうですか!
ごめんなさいね、世間知らずで。
芹沢先生と違って、私は頭が悪いですから、五十嵐先生に勉強を教えてもらいたかっただけなのに」
「あら、さっき『察してよ』とか言ってなかった?」