俺様と奏でるハーモニー
「何をどう言いふらすのかわからないけれど、これだけは覚えておいて。
あなたは今、何を一番優先させなきゃならないの?
こんなところで私にくだらない因縁つけてたって、採用試験には受からない。
五十嵐先生の仕事の邪魔をしてまで、採用試験に受かりたいんでしょ?
だったら、今すぐ行動に移したほうがいいんじゃないかしら。
『教員養成セミナー』には、丁寧な解説だってついているんだから」
多分、ものすごい正論をつかれて、何も言えなくなったんだと思う。
森本先生はものすごい勢いで出て行ってしまった。
あ~あ、やっちゃった。
職場の人間関係、今まではそこそこ良好に保ってきたつもりだったのにな。
修さんには初対面で『大っ嫌いだ』と言われるわ、森本先生には何やら訳のわからないことを言いふらされるらしいわ。
私、この学校で残り8ヶ月、無事に過ごせるかしら?
大きなため息をついた時、楽器庫から修さんが出てきた。