俺様と奏でるハーモニー


五十嵐先生が、意味ありげに私の顔を見ながら言った。


「それも含めて、城田先生にご相談すべきかと思ったんです。

彼女は来年度、確実に異動の対象ですから、あまり遅くても差し障りがありますよね?」



つまり、悪い噂が広まる前に、何とかするってこと?



「そうよね~。今、7月でしょ?

人事調書が配られるのがだいたい10月末~11月だから、できれば9月中が望ましいわね。

もっといい方法があるんだけど、それにはなるべく早くしないとならないし……」



う~ん、と城田先生が考え込んでしまった。


五十嵐先生がまた、答える。


「ちょっと今すぐに、という訳にはいかないですよ。

本間先生の結婚式もありますから」


「あら、本間先生のことはいいわよ。

1組が2組に増えたところで、みんなちゃんと祝ってくれるから」


ん? 何の話?

< 96 / 215 >

この作品をシェア

pagetop