霊務3
【霊務-16】






説明を受けながら
歩いていたら、

いつの間にか風景は
普通の生きていた世界に
たどり着いていた。










??








後ろを振り返っても
普通の世界の道。



先程まで歩いてきた
暗いトンネルのような
よく分からない道は
影も形もない。









大男の居た部屋は
どこにあるのか
分からなくなったが、

今はまだいい。






とりあえず、
現状の出来ることから
取り組もう。








「あの……
田中さん
少しいいですか?

私、その霊務ってのに
就く前に、
どうしても父に
会っておきたいんです」









「それは好きに
行ってくれていいよ。

私はお世話係りで
監視役と言ったが、
霊務は強制ではないよ。

やりたきゃやる
やりたくなきゃやらない

そうした霊は
たくさんいる。

ただ仲間同士
人間を脅かして
騒いでいるだけの
霊だっているのさ」










それを聞くと
安心して里子は
家へ歩き出す。









「あ…
ありがとうございます

必ず仕事しに
戻りますから…」









いち早く、
1人寂しくなっている
父の元へ
里子は向かった
< 16 / 359 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop