霊務3
「始まる戦い―27」






サキは、
そっと鎌桐の顔に
手をヒタっと当てた。










「お前の
その目にも見えない
スピード…

お前が速ければ速い程、
冷えた空気が
体を凍らせる事ができる…

アタイの特殊能力とは
相性が悪かった様だね」










その直接触れた手が、
更に鎌桐を
氷づけにさせた。










「ちくしょう!!!!

俺っちがまさか、
こんなヤツに―――!!


グァァァァァ…!!!

……」










キン――――










完全に凍りついた鎌桐は、
とうとう
一言も口がきけない
氷の彫刻と化した!









ヒュウウウ…









辺りは氷の静けさが、
無音を醸し出している。










ようやく
ここまでして、

07の内、
1人を倒す事ができた。









「フウ…」










サキは一息ついて、
キサラの方へ歩み寄った。










「……大丈夫かい?

怪我はないか?」










そう言うサキの方が、
鎌桐に切り刻まれた傷が
生々しく浮かんでいた。










「あ…いやアタシは
大丈夫……



その…

……ありがとう…

ございます…」










素直にお礼を言うキサラ。










普段から敬語は
言い慣れてないが、

ハッキリと
感謝の意を伝えた
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