霊務3
【対決!四獣霊!─46】






その光は無数の線になって、
キサラの声から飛び出した。









そして、
獅死雄が最期に見たもの…












(………?無数の…鳥?
いや、人か?)











それは、
ギリシャ神話で謳われた
海の『声』の魔獣……


人と鳥の混合生物、
『セイレーン』の
幻影であった……










シュパン!!
シュパン!!
シュパン!!










そのセイレーンの
1人1人が、

大手を振って
舞っているようにも
見えた。











その研ぎ澄まされた
彼女らの手は、
獅死雄の衝撃波を
いとも簡単に切り裂き、

空を舞いながら
ま横を通り過ぎた。










「……!!」











特に何もない……?


と思う程、
もう既に感覚はない。











ヒュー
ヒュー…










これは……


この音は…………










気付けば…

獅死雄は
喉元をかっ切られ、

目を見開かせてる。










「あ………あ……

まさかこんな……

カマキリ野郎と
同じ能力で、

この俺が
やられるなんて……」











音の刃………



それがキサラの特殊能力…











「これが……

アタシの歌……

アンタに捧げる
鎮魂歌だよ」









ブシューーーーー!!!









クルッと
キサラが背を向けた瞬間、

獅死雄の喉元から、
噴水のような血が
飛び出した
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