霊務3
【悪魔とその片腕─50】







どう答えようか
迷っていると、
火鳥がタイミング良く
それをバッサリ切った。












「そんな!
聞くのが最後みたいな
言い方じゃないか!

それを聞いたら、
行っちゃうだろ?

里子ちゃん1人が
命を張るなんて事はない!

みんな一緒じゃなきゃ
駄目なんだ!」










……











やっぱり優しいなぁ…
カー君は…











いつまでもここに居たら、
辛くなる。


その優しい言葉だけで十分。










もとより、
説得する気なんて
里子にはなかった。









どう言っても、
行かせてくれないのは
分かっていた。










だから……









チラリと
オジサンの方も見る里子。










――無事に帰ってこれたら、
聞かせてください……












フワッッ









里子は一言も言わず、
ブラックホール目掛けて
まるで落ちるよう
頭から飛び込んで行った。










仲間をずっと見ながら……

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