霊務3
【悪魔とその片腕─51】







「里子ちゃん!!?」










予想通り
火鳥が追いかけて来た。











それも分かっていた。













そんな火鳥に対し、
里子は遠くから
サキとアイコンタクトを
とった。












「サキさん!!」











強く念じる瞳。











お願い…

分かって!!











その熱い眼差しを見た
サキは、

ハッとして
手を突き出した。











ピキン!!!












「ぐっ!?」












火鳥はサキの金縛りにて、
動きを
封じられてしまった!












「何をする!」











サキの邪魔に
火鳥は猛抗議をした。












(カー君…)












自分の名前を
呼ばれた気がして、
火鳥は再び里子の方を
向いた。











そこには満面の笑みで、
ブラックホールに
飛び込もうとする
彼女の強い姿があった。












そして、
火鳥の印象に残る
一瞬の出来事。












≪あ・り・が・と・う≫












口をそう動かした里子が
そのまま深い闇へと
消えて行った…
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