霊務3
【悪魔とその片腕─52】







里子の姿が見えなくなって
すぐ、
キサラが噛みついた。











「何て事をする!!
何故里子の方を
止めなかったんだ!!」












火鳥も同じような気持ちだ。

何故邪魔されたか、
里子を止めるべく仲間に
そんな事をされ、
全く理解が出来なかった。










しかし、
サキの考えは違うようだ。











「任せるんだよ…
あの子に……

あの覚悟の目を
向けられたら、
こうするしかない…

アンタが行っても、
邪魔なだけさ」











それは、
里子を見込んでの事。

信じての事だった。










しかし、
そうは言っても、
2人は納得しない様子だ。










「だからって
里子ちゃん1人で
行かすなんて…

ただの女の子だよ!?」











そう、
伝説の霊の
娘であろうとも、
彼女自身は一般の女の子。











こんな大役を、
任せるワケには
いかなかった

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