霊務3
【悪魔とその片腕─54】







暗い…

暗い…











何て…
冷たい闇なの…?











里子は闇の中を
ひたすら進み、
辺りを探っていた。











いや、探すと言うより
自分の意志とは無関係に、

どんどん内部へと
吸い込まれている
気がする。












後戻りは出来ない。










ヘタすれば、
ここで消滅するかも
しれない。





そんな考えはあったが、
不安と言う形には
表に出さなかった。












とにかく今自分がすべき事。











それだけを考えれば、
自ずと恐怖心も
無くなるものだ。












「お母さん……

見守って…」











心にグッと力を込め、
更なる光で奥へと進んだ
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