霊務3
【悪魔とその片腕─55】







………










あれは…?











この暗い闇の中で、
里子の光をもっても
照らしきれない塊が見えた。











確実に、
何かの意志を持った
物体である事を、
感じ取れる。












「……アナタですね…」











悟ったかのように、
言葉を投げ掛ける。











ギョロリ!!












それに反応し、
何かが里子に視線を送る。










背筋がゾクゾクとする…



巨大な目のようなものに、
見られている感覚だ。












黙っていると、
そこから声が聞こえた。












「…あの小娘か…」











ヤツの声だ。



とりあえず探し出せた事が、
目標の第一歩である。











グゴゴゴゴゴ………












辺りの闇が、
ざわついた
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