霊務3
【悪魔とその片腕─56】







どうやら闇は、
ボスの感情と
連動しているようだ。










しかし、
言葉では意外と冷静な
口調であった。












「…甘く見ていたのが
誤算だったか…

お前の能力が、
よもや私を上回ろうとは…

一番警戒をしなければ
ならなかったのは、
こんな小娘だったとはね…」












里子はそんな話よりも、
このブラックホールを
何とかするように
一度だけ聞いた。












「話を要約します!
このブラックホールを
今すぐ止めてください!」












相手が相手だけに、
これで断れば攻撃を
仕掛けるつもりだ。




好戦的ではない里子だが、
応じなければ仕方がない。









みんなを守る為、
最後の交渉だ!












その答えは…












「…お前を先に
封じていれば…

こうはならなかった…

四獣霊の朱雀より
最も注意すべき者だとは…

きっと朱雀が
竜騎を倒さなくとも、
お前が倒していたろう…

こんな事には…
こんな事には…
こんな事には…」















話を聞いていない…?









壊れた
カセットテープの様に、
言葉を
繰り返しているのを見て
彼女は悟った。










これは……

もう言葉が
届いていないようだ
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