霊務3
【みんなの笑顔─5】






光は里子の体を淡く包み、

この世界から
離れていく…








まるで早送りのように、


自分の感覚が
この場所に留まるくらい、
一瞬にして
弾き飛ばされたような
感じに…











そうして、
気付いた時には、
現実の世界が
広がっていた。











そこには、
かつての仲間達の顔ぶれが
あった。












霊の1人が言う。












「あれを見ろぉ!!」











そのタイミングで、
諦めかけていた全員が
再び天を見上げる。












月も沈んだ暗黒の夜の中、
一筋の光が
霊達の目に焼き付いた。











「綺麗…」












皆が口々に言う。




後に伝えられるが、
それは本物の女神様が
空から降りてきたように
神秘的情景であった。












「さ、里子…」











目に涙いっぱいに溜めた
キサラが、
溢れた笑顔で迎えていた

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