彼だけのお姫様♪
優しいキモチ
次の朝・・・…―――――


「おはよ」


目を覚ますと間近に翔の顔があってびっくりした。


「…おはよう。…もしかして、ずっと起きてたの??」


「うん。眠くなかったし。葵空の寝顔もかわいいしね」


朝っぱらからそんなこと言われて、顔が赤くならないはずない。


というかあたしのばあい昼間でも赤くなるんだけど…


でも、そんな幸せな気分に浸ってる場合じゃない。


翔がここにいるってことは、昨日の悪夢が実際に起こったってことだ。


それに、今日は平日。今から学校に行かなくちゃ行けない。


正直言うと行きたくないんだけどな…体も重いし…


そう思いながら、無理やり重たい体を起こすと、翔があたしの腕をつかむ。


とっさに昨日腕をつかまれたときのことをおもいだして、相手はあの男じゃないのに体が変に反応してしまって、翔と目をあわせられない。


「大丈夫。変なことしないよ」


そんなあたしに気を使ったのか、安心させてくれようとしている優しい言葉が返ってきた。


「ううん。ゴメン。まだ怖くて…。でも翔はそんなことしないってちゃんとわかってるもん。」


あたしも平気なフリして笑顔を作ってみる。


でもやっぱり翔には効かないみたい。


「無理しなくていいよ。今日は学校休みな。体重いだろ。俺も一緒にいるから」


「……うん…」


やっぱり翔はなんでもお見通しだね。


「昨日のことは……あいつらには今日話そう。放課後家にきてもらってさ」


「……話さなきゃ、ダメなの??」


昨日のことは頭から完全消去してしまいたい。皆に知られたくない。
知られたら……あたしこれからどうやって過ごせばいい??


「話したほうがいい。話したら気をつけてくれるだろうし…。それにあいつらはそんなことでお前のこと嫌いになったりしないやつらだ。葵空だって知ってるだろ??」


「うん。」


当たり前じゃん。皆がどんなに優しいか、あたしが知ってないわけないよ。


「じゃあさ、がんばろ??」


「うん。」


その日は涼に先生とかに休むことを伝えてもらえるようお願いして、ゴロゴロして過ごした。

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