彼だけのお姫様♪
時間的にもうすぐ皆が来る。


なんか変に緊張してしまう。


今日散々翔と遊んで楽しい気持ちだったのに…


…怖い……。


皆がどんな反応するかわからなかったから…


同じ家で過ごしてる涼でさえ昨日のことは知らない。


そう考えると不思議な気がした…


今はまだあたしと翔しか知らないこと。


昨日涼に話せなかったこと。


身内にさえすぐに話せない話を今から話するんだ。


やっぱり怖いな…。


「大丈夫か??」


あたしの思いつめた様子が顔にでたのか、翔が心配そうにあたしの顔を覗き込む。


こう横から覗き込まれたときってドキっとしてしまう。


こんなときなのに翔にときめいちゃう。


あたしってばお気楽だよね…


昨日だってそうだった。


お気楽なこと考えて…あたしが狙われてるってこと忘れて。


もし昨日あの時、あたしがお気楽じゃなくてちゃんと考えてたら翔の言ってた“あのこと”の意味がわかって、もしそのこと心配だっていったら翔が一緒にいてくれたかもしれないのに…。そしたら襲われなかったかもしれないのに…


なんかこういうとき自分の性格がイヤになる。


「……葵空。俺は今のお前が好きだから」


「え??」


いきなり…なに??


「なにがあっても、お前を嫌うことなんてない。俺がすきなのは、ちょっと天然でアホででもいつも一生懸命でテレやすくて、かわいい、そんな今の葵空を好きだから。だから安心しろ」


……翔ってエスパー??


あたしの心の中のこと読みすぎでしょ??


「…なんで、あたしの考えてること…わかったの??」


恐る恐る聞いてみる。


「俺は、葵空のことならなんでも分かんの」


うれしい。あたしも同じように翔のことなんでも分かるようにならなくちゃ!!


『ピンポーン』


皆が、来た。
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