彼だけのお姫様♪
「昨日、大変なことがあってさ…。昼間に学校にきた男がいただろ。あいつの言うとおりになった」


「言うとおりって…もしかしてっ!!」


翔の言葉を聞いて竜が反応する。


ほかの三人は黙って次の言葉を待っている。


「昨日、葵空が襲われた」


言ってしまった。


でも四人の反応はあたしが思ってたのと全然違った。


あたしは、そんなはずないって思いながらも、四人があたしのこと軽蔑するって思ってた。


でも四人ともあたしのこと、優しい目で見てくれてた。


翔が詳しいことを話すと夏菜と美夢は泣いてくれた。


同じ女だからこそあたしの悲しみを分かってくれて、今泣いてくれてる。


あたしって幸せ者かな??


涼みたいな優しい弟がいて、流や夏菜、美夢みたいな優しい友達がいて、翔みたいな優しい彼氏がいる。それだけで十分だよね。


「これから、葵空のこと気をつけてほしい」


「うん」


皆あたしのためによくしてくれてる。


あたしなんかの…ために……


そう思うと、涙があふれてきた。


目がだんだん濡れて涙が流れる。


その涙を翔が優しい手で拭ってくれる。


しばらくして、あたしもそろそろ涙が止まってきたころ。


「俺さ、もし葵空と涼がいいなら……一緒にここの家で暮らそうと思うんだ」


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