彼だけのお姫様♪
今日は土曜日。






翔があたしの家に引越しをしてくる日。







翔のお母さんとお父さんは予想通り、同棲してくるって言ったら、そのままのノリで行ってらっしゃ~いって言ってた。






なんていうか…脳天気??






よく翔がひねくれずに育ったな。ってカンジがする。






十分ひねくれてるけど…でもやっぱ優しいじゃん??






芯が通ってるっていうか……。






「お~い。葵空??お前、生きてる??」







「へ??」






いきなり『生きてる??』なんて聞かれて変な声が出てしまった。






っていうかその質問おかしくない!?





生きてるって……わかるでしょ??






でもやっぱ、それぐらい浮かれてるのかも。







翔と同棲なんて夢にまで見たもんね。






涼と翔と三人暮らしなんて最高でしょ??





毎日が楽しそう!!





あたしの予想通り、その日の晩はものすごく楽しくて、三人ではしゃいでた。






そして、あたしははしゃぎながら、翔の優しさに感謝してた。






たぶんあの日、翔が隣にいてくれなきゃ、もう立ち直れなかったと思う。






翔がいたから、皆に本当のこと話せたし、こうやって楽しいときも過ごせてる。





ホントは、まだあの日のことがよみがえって怖いけど、涼や竜とちょっと手があたっただけでも変に反応しちゃうけど、でもそんなの悩みじゃないって思えてくる。





あたしの悩みは、これからどうしたら楽しく生きていけるか。






どうやったら、三人仲良く健康に暮らせるか。





どうやったら、お金が足りるようになるか。





あんなことよりそっちのほうがよっぽど重要に思えてくる。





その日あたしは秘かにこれからがんばろう。って、心に誓った。
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