妖(あやかし)狩り~外法師・呉羽&妖刀・そはや丸~
「お姉様が車に乗るまで、頑張って!」
「ええ~? 何でぇ?」
寝かすまいと、烏丸の胸倉を掴んで叫ぶ多子に、烏丸はすでにしょぼしょぼする目を向ける。
「お姉様のお着物が、そはや丸のものだとわかったら、大変なことになるわ!」
「・・・・・・何故」
必死で言う多子に、一人わかっていない呉羽が、訝しげな顔をする。
「とにかく、お姉様の姿が見えなくなるまで、寝ちゃ駄目!」
「わかったよぅ~」
胸倉を掴まれたまま、がくがくと前後に振られ、烏丸はかろうじて閉じそうになる瞼をこじ開けた。
そはや丸は、少し前方で立ち止まり、にやにやしている。
「何なのだ。烏丸、大丈夫なのか?」
多子の手から逃れ、呉羽に寄りかかりながらふらふら歩く烏丸を支えながら、呉羽はわけがわからないという風に、烏丸を覗き込んで言った。
「ええ~? 何でぇ?」
寝かすまいと、烏丸の胸倉を掴んで叫ぶ多子に、烏丸はすでにしょぼしょぼする目を向ける。
「お姉様のお着物が、そはや丸のものだとわかったら、大変なことになるわ!」
「・・・・・・何故」
必死で言う多子に、一人わかっていない呉羽が、訝しげな顔をする。
「とにかく、お姉様の姿が見えなくなるまで、寝ちゃ駄目!」
「わかったよぅ~」
胸倉を掴まれたまま、がくがくと前後に振られ、烏丸はかろうじて閉じそうになる瞼をこじ開けた。
そはや丸は、少し前方で立ち止まり、にやにやしている。
「何なのだ。烏丸、大丈夫なのか?」
多子の手から逃れ、呉羽に寄りかかりながらふらふら歩く烏丸を支えながら、呉羽はわけがわからないという風に、烏丸を覗き込んで言った。